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校長室から

鉛筆 ご挨拶

こんにちは。私はこの4月から校長として赴任しました小林と申します。

さくら清修高校ホームページをご覧いただきありがとうございます。

本校は、「喜連川高校」と全国初の総合学科設置校「氏家高校」の長い歴史と伝統を受け継ぎ、総合学科の高校として平成18年に開校しました。「自主自立・進取創造・敬愛協働」を校訓として日々の教育活動を展開しており、今年度創立20周年の節目を迎えます。

本校の特色は、なんと言っても、一人一人の進路実現や興味・関心に応じた選択ができるよう多様な科目講座を開設し、自分だけの時間割を組むことができるところです。授業は少人数で行われることも多く、きめ細やかな授業が展開され、体験学習や外部講師による専門的な授業も実施しています。

学校行事も多く、大いに盛り上がる桜花祭、全力で競い合う球技大会、体育祭といった大きな行事を毎年実施しており、充実した学校生活につながっています。また、部活動も充実しており、全国大会や関東大会に出場している部活動もあります。

卒業後の進路は、国立大学、私立大学、短期大学、専門学校、公務員、民間企業と幅広く、充実した進路指導体制のもとで、多様な進路実現を図っています。

いかがでしょうか。多岐にわたる選択科目、自分だけの時間割、様々な学校行事、それに加えて、情熱あふれる個性豊かな先生たちがたくさんいます。本校は、誰でもやる気さえあれば、それに応えられる環境が整っている学校です。

教員と生徒が本気で向かい合いながら授業や部活、学校行事に一生懸命取り組んでいる姿をぜひご覧ください。

ここでは概要のみ記しましたが、興味を持っていただけた方は、様々なページに入っていただき、さらに深く本校を知っていただければ幸いです。ホームページを見てくださる方々のご期待に添えられますよう、より充実した内容にしていきたいと思います。

教職員一同、本校で学ぶ生徒たちが充実した高校生活を送れるよう尽力して参りますので、今後とも「さくら清修高校」をどうぞよろしくお願いします。

栃木県立さくら清修高等学校長
小林 克明

学校 令和6年度修業式式辞

早いもので、本日、令和6年度修業式になりました。1・2学期の終業式は、学期が終わる節目の日ですが、年度末は、業を修める式です。皆さんの生業は学業ですから、1年間の学業を修め終える節目が、本日の修業式であると言えます。

先程は皆さんを、卒業した先輩方は卒業式予行の日に実施した表彰伝達式で称えたことでもわかるとおり、部活動、検定試験、模範篤行、皆勤など、本校には多方面にわたり努力し素晴らしい成果を修めている生徒たちが本当に多く、校長としても誇らしい皆さんですが、個人個人を振り返ると不足している点や改善すべき点が見つかるなど、まだまだ伸びしろのある皆さんでもあると思います。修業式を機に、各自、反省してみましょう

今年度は生徒会の要望を受け、男子の頭髪規定について若干の変更を加えたり、先生方が皆さんの健康を考え休業日の部活動における登下校時の服装規定を見直しました。次年度の入学生は、始業・終業時間は同じですが、皆さんと比べて正規の授業時間数が1週間当たり2時間少なくなりますし、例年、年明け早々に実施していた野外活動(スキー、スノーボード)は廃止になります。時代や実態に即した変更があるのは、当然のことですね。

数年経ちましたが、18歳成人という大きな法改正があり、来年度からは高等学校の授業料無償化が始まる予定です。今現在、日本はここ数年では例を見ない税制改革が行われようとしているなど、皆さんの生活に直接関わることだけでも大きな社会制度・構造の変化が起きています。ですから、皆さんにはコロナ禍の対応と同じように様々な出来事に対し柔軟に、そしてそこには何らかの意図があるのではないかと深く考えながら過ごして欲しい思います。目の前の愉しみ事ばかりに時間を費やすのではなく、将来、社会で活躍できるよう、その土台づくりをしているのだと意識しながら高校生活を過ごしてください。

そうすると、挨拶や身なりを整えることの大切さ、勉強の面白味さや意義、自身の目標などが自ずと見えてきます。来年度、創立20周年を迎える本校の二十歳の誕生日を祝うために皆さんが主体になって来賓をもてなし、記念芸術鑑賞会を楽しみ、そして先輩方に感謝しながら21年目の歴史をつくる主役としての自覚や責任をもつよう、期待して止みません。今が正にその準備期間です。

間もなく見頃を迎える「桜の花」が美しいのは、寒い冬をじっと耐え、春の来るべき時に一気に開花するからです。中には寒桜とも呼ばれ、冬の寒い時期に開花することで知られる「河津桜」や「土肥桜」などもありますが、これらは人に例えるならば、一握りの特別な才能がある人か、或いは努力が結実した人と言えるのではないでしょうか。ひょっとすると、冒頭話した表彰伝達式で称えられた人たちのことかも知れません。

2年次生は、進路実現のためにもう1日たりとも無駄にできませんね。夏休み後、部活の引退をしてからとか、桜花祭や秋の体育祭後に頑張ればいいのだなどと努力を先送りにしていては、それだけの結果しか得られないのは明らかです。後輩の面倒を見ながら自分を磨く日々は辛く厳しいと感じる時もあるかも知れませんが、楽をしたい自分に打ち克ち、じっと絶えた暁には、夢の実現という素晴らしい結果が待っています。桜の花と同じです。今から3年次生、最上級生としての自覚と覚悟を期待します。

1年次生には、先月、「さくらレポート」で素晴らしい発表をしたことからも、本校で確実に成長した姿を垣間見ることができました。ご指導くださった「さくら市」の方からも、高校1年生ともなると、随分、研究内容に厚みが出るもんだとのお褒めのことばをいただいています。2年次生というポジションは、上級生と下級生に挟まれた中間年次生ですから、学校の中心であると考えてください。良い先輩を手本に、自分が歩んできた1年間よりも本校生として素晴らしい高校生になれるよう、後輩を導いてください。上にも下にも自分を省みる人たちがいるということは、本当に幸せなこと、全日制の学校に通うメリットだと思います。頑張ってください。

『生徒会誌』や『さくら清修高校新聞』に記したように、「夢は見るものではなく、叶えるもの」です。とは言っても、そう簡単に物事は進まず思い悩むのが人間、特に青春期の皆さんです。人は予期せぬことに出会うとネガティブな思考に陥る傾向がありますが、そんな時には「雨過天晴」ということばを思い出してください。降り止まない雨はありません。雨の後には、空高く大きな虹が架かる晴天が広がる様子を思い描き、ポジティブな思考に変えてください。同時に、事ある度に伝えてきた「自他ともに大切にする」ことも忘れずにいてほしいと思います。

自然界の「さくら」もすぐに満開になります。卒業式の式辞でも述べたように、前庭の「御衣黄」が萌黄色の花を咲かせる頃には新たなクラス、環境にも慣れ活気に満ちながらも落ち着いた学校生活を送っている皆さんの姿を見るのが、今から楽しみです。一人一人が卒業生が残した実績を上回り、「さくら清修高校」の佳き伝統の継承者となるべく、また、4月に迎える新入生の先輩としての自覚を持ち様々なことへの準備期間である春休みを有意義に過ごすよう期待し、式辞とします。

令和6年度卒業式式辞

厳しかった冬の寒さも和らぎ、柔らかな春の息吹が感じられるこの佳き日に、同窓会会長 和氣 久一様、PTA会長 大野 光臣様をはじめとするご来賓のご臨席を賜り、保護者等の皆様のご列席のもと、栃木県立さくら清修高等学校令和6年度卒業式をこのように盛大に挙行できますこと誠に喜ばしく、教職員を代表して厚く御礼申し上げます。

ただ今、卒業証書を授与した222名の卒業生の皆さん、栄えある卒業、おめでとうございます。保護者等の皆様におかれましては、お子様の逞しく成長した姿に感慨ひとしおのものがあるかと存じます。この3年間、本校の教育活動に対し、深いご理解とご支援をいただきました。お子様のご卒業にあたり、心より御礼と御祝いを申し上げます。

卒業生は「自主自立」、「進取創造」、「敬愛協働」の校訓のもと、学業に勤しみ高等学校の全課程を修了しました。本校は個の興味や関心、進路に応じた幅広い科目選択ができる総合学科であることに加え、活発な生徒会、部活動、ボランティアの諸活動及び学校行事が、大きな魅力と特色であることを体感してきました。

クラスや部活動の仲間と知恵を出し合い、企画・運営や発表を行った「桜花祭」や「芸術合同発表会」のような文化的行事、クラスが団結してプレーした「球技大会」や縦割りのチーム編制で挑んだ「体育祭」の体育的行事は、共に大いに盛り上がりましたね。いずれの場面でも一人一人が主役として輝いており、これからも佳き思い出として脳裏に刻まれていくことでしょう。皆さんが築いた伝統は、必ずや在校生がさらに磨きをかけて紡いでいきますので、見守っていてください。

後輩たちに生徒会役員等の座を譲り、部活動を引退してからは、進路実現という目標に向かって努力を惜しまず過ごしていましたが、最上級生として何事にも率先して取り組み、後輩たちに範を示す姿が窺えました。何より、友人と切磋琢磨し絆を強固にするなど、青春を謳歌し充実した日々を過ごしたことと思います。こうして本校の歴史に輝かしい1ページを加えた第17期生として、本日、晴れの日を迎えている皆さんを大変誇らしく思います。

皆さんを待ち受けている社会は、少子高齢化や高度情報化が加速度を増し、既存の考え方や仕組みが著しく変貌を遂げようとしています。そうした物事が複雑化し予測困難な時代を生き抜くためには、多様な価値観を受容し柔軟に振る舞う対応力、新たなものを創造しようと思考し行動する実践力、そして、他を敬うなどの優れた人格を備えた人間力が重要であると考えます。皆さんは、地域の方々のご支援や保護者等の皆様の愛情と庇護のもと、3年間の高校生活をとおして、社会を立派に生き抜く素地を培ってきました。卒業後、進む道は人それぞれですが、未来を切り開いていけると確信しています。

ここで、夏目漱石も影響を受けたとされる19世紀に活躍したアメリカの哲学者で心理学者でもある「ウイリアム・ジェームズ」のことばを紹介します。「できるかどうか分からないような試みを成功させるただひとつのものは、まずそれができる、と信じることである。」日々、目標に向かって一生懸命努力した皆さんですから、夢は叶います。自分と周りにいる仲間を信じて頑張ってください。きっとできます。

「さくらの花」が間もなく満開になります。前庭の「御衣黄」が萌黄色の花を咲かせる頃には、新天地での生活にも慣れ、活気に満ちながらも落ち着いた生活を送っていることでしょう。来年度、創立20周年を迎える本校には、いつでも皆さんを応援している教職員がいます。時には母校に足を運び、近況報告をしてくれるよう望みます。卒業生の皆さんのこれからの人生に幸多かれと祈り、式辞といたします。

第3学期始業式 式辞

おはようございます。松の内は過ぎてしまいましたが、年が変わりましたので、年頭の挨拶をします。皆さん、明けましておめでとうございます。年末を穏やかに過ごし、希望に満ちた新年を迎えることはできたでしょうか。第2学期の終業式に続き、防寒及び感染症対策のため、リモートでの配信としています。

さて、今年は十干の「乙(きのと)」と十二支の「巳(み)」を組み合わせた「乙巳(きのとみ)」が干支になります。「乙(きのと)」は、植物が育ちきった状態を表す言葉で、これまでの努力が実を結び始める時期を表しているそうです。「巳(み)」は知ってのとおり、古くから豊穣や金運を司る神として崇められている蛇のことですが、脱皮する度に体表の傷が癒え大きくなるため、逞しい生命力があることでも知られています。

ですから「乙巳(きのとみ)」の今年は、努力に応じて成長が見込め、知識や技術・技能の獲得が実感でき、さらには過去の失敗や挫折を新たな出発に変えられる年であると言えます。ここで、幕末の志士「坂本龍馬」が遺した言葉を紹介します。「俺は、昨日の俺ならず」という非常にシンプルなものですが、彼らしい強い決意が伝わってくるとは思いませんか。皆さんにも竜馬の如く未来を志向し、日々成長することを期待します。

話題を転じますが、2学期の終業式では、オリンピックに触れながら日本漢字能力検定協会が選定した2025年の漢字、「金(きん)」について話したのを覚えていますか。本日は巳年の金運にあやかり、「金(かね)」に関した話をします。新1万円札の肖像画にもなった「渋沢栄一」は、「近代日本経済の父」とか「日本資本主義の父」と呼ばれています。NHK「大河ドラマ」の主人公にもなったことから、生誕の地である埼玉県深谷市は、大変な賑わいがあるようです。

彼は明治維新後、当時の大蔵省に入省、実業家になってからは、日本初の銀行「第一国立銀行」や現在の「東京証券取引所」や「東京商工会議所」などの団体、「帝国ホテル」や「日本郵船」などに繋がる数多くの企業の設立に携わりました。企業の目的が利潤の追求であってもその根底には道徳が必要で、公益(公共の利益)を第一に考えるべきだという「道徳経済合一説」をその著『論語と算盤』で説いています。儲けのみを求めるのではなく、世のため人のために働いて儲けることにより、国が豊かになると考え実践しました。これは、近江国(現在の滋賀県)の商人、所謂「近江商人」の「三方よし」の経営理念と同じですね。

もう少し彼の功績を伝えますが、現在の一橋大学、日本女子大学、二松学舎大学などの教育機関及び日本赤十字社、聖路加病院などの医療機関の設立や社会事業の支援なども行ったそうですから、新1万円札の肖像画になっても不思議ではありません。紙幣を手にした際には、彼の偉業や公益について振り返ってください。

皆さんには、それぞれに叶えたい夢や理想があると思います。目標が明瞭でないから困っているという人もいるかも知れませんが、それを模索しているだけでも立派な思考であり、活動であると思います。是非、その夢や理想が、そして思考や活動が、自分にとって、そして身近な人にとって、さらには将来、社会にとって健全で有益なものになるよう、高校生活を過ごしてください。周囲に迷惑をかけずに自分が好きなことをやるというだけでなく、自分の行為で周囲が豊かになれば、これ以上の幸せはないのではないでしょうか。

さくら清修高校の関係者全員にとって、2025年が更なる飛躍の年になることを願い、式辞とします。

ノート・レポート 第2学期終業式 式辞

温暖化の影響で夏休み後も気温が高い日が続き、いつの間にか冬になっていたと感じる程に秋が短かったと思います。月日が経つのは早く、第2学期、そして令和6(2024)年が終わろうとしているので、各自、生活を振り返り来学期や来年の目標を立てましょう。防寒と感染症予防のため、リモートでの配信とします。

季節毎に今年を振り返ってみます。夏には、パリで開催されたオリンピックとパラリンピックにより、世界中が感動の渦に巻き込まれました。日本の選手たちが多くの金メダルを獲得したことが、今年の漢字に「金」が選ばれた理由の1つでもあったように思います。改めて、将来の夢をオリンピック出場に定めたという人が、皆さんの中にもいるようですので応援しています。

秋の紅葉は、関東有数の紅葉狩りの景勝地がある本県に、今年も多くの観光客を誘いました。中でも、日光連山を背景にした一大パノラマ、「いろは坂」周辺の眺望が絶賛されるのは、日本にある35種類の楓のうち21種類がそこに自生しており、様々な色合いが秋の澄んだ空気に映えるからだと言われています。春の桜並木の美しさは、多くは淡いピンク一色によるものですが、紅葉の良さは多くの異なる色にあります。校内で、落葉の除去などの環境の整備にあたってくださる公仕さんへの感謝も忘れてはなりませんね。

総合学科である本校の特色の1つに、生徒一人一人の興味・関心、進路に応じた科目選択があるわけですが、これにより学びの幅が広がり、また、異なる学習集団が形成されるため他者理解も進みます。木々の紅葉のように、多様な彩―異なる価値観や個性―に溢れながらも規律ある生徒集団が、本校の魅力を生み出していると私は考えます。一人一人が違って当たり前、今後も自分らしさを模索し、そして発揮してください。

各地で、地震や豪雨などによる自然災害や戦禍により、尊い命までもが失われるという悲惨な現実を目の当たりにした年でもありました。そのような中、「日本原水爆被害者団体協議会」に10日、「ノーベル平和賞」が授与されました。特に2年次生には、修学旅行で長崎の平和公園を訪れるなど、平和学習に取り組んだこともあり、印象深い出来事の1つであったと思います。当然のことですが、命の尊さや平和の有り難さ、災害対策や環境保全について考えることも重要です。

今学期を振り返って見ると、いつにも増して大きな成果がありました。2,000名程の来校者があった「桜花祭」や縦割りのチーム編制で実施した「体育祭」などの学校行事では、皆さんのアイディアやホスピタリティー、互いに協力する姿が随所に見られました。先日は、生徒会や委員会、有志の生徒が中心になって企画した台湾の「新北市荘敬高職国際学校」から生徒40名を迎えての交流により、本校の良さを伝え、また、「国際理解とは何か」を知るヒントを得られたと思います。

「表彰伝達式」や「壮行会」でも披露したように、部活動では、ダンス部の「県新人ダンス大会」優勝や、県高文祭「写真展」特選での関東大会への出品、「美術展」最優秀賞による、2年連続の全国大会への出品決定といった輝かしい成果を写真部・美術部の人たちが修めています。他にも、さくらテラスでの「さくら市議会報告会」へのパネリスト参加などの様々な取組が、多くの方々に称賛されています。

以上、皆さんの活躍の一端を紹介しましたが、このような目立った活動をしたり、優れた成績を残すことは容易ではありません。「自分らしさ」を追究する中で、いつかその高みに到達するものですから、これからも学校生活のあらゆる機会―友人との語らい、読書、学校行事、部活動、ボランティア活動など―を大切にしていきましょう。本校は、役立つ豊富な資源に満ち溢れていますし、皆さんには大きな可能性があります。

3学期は瞬く間に過ぎていきます。卒業という大きな節目を迎える3年次生には、殊更に早く感じられるでしょう。全校生徒の皆さん、当然ながら「今という時間は今しかない」と肝に銘じ、また、「信頼できる大人への相談」も忘れずに、健康・安全に留意にしながら冬休みを過ごしてください。「自他ともに大切に」して、穏やかな年末と希望に満ちた新年を迎えられることを願って式辞とします。