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学校 令和6年度修業式式辞

早いもので、本日、令和6年度修業式になりました。1・2学期の終業式は、学期が終わる節目の日ですが、年度末は、業を修める式です。皆さんの生業は学業ですから、1年間の学業を修め終える節目が、本日の修業式であると言えます。

先程は皆さんを、卒業した先輩方は卒業式予行の日に実施した表彰伝達式で称えたことでもわかるとおり、部活動、検定試験、模範篤行、皆勤など、本校には多方面にわたり努力し素晴らしい成果を修めている生徒たちが本当に多く、校長としても誇らしい皆さんですが、個人個人を振り返ると不足している点や改善すべき点が見つかるなど、まだまだ伸びしろのある皆さんでもあると思います。修業式を機に、各自、反省してみましょう

今年度は生徒会の要望を受け、男子の頭髪規定について若干の変更を加えたり、先生方が皆さんの健康を考え休業日の部活動における登下校時の服装規定を見直しました。次年度の入学生は、始業・終業時間は同じですが、皆さんと比べて正規の授業時間数が1週間当たり2時間少なくなりますし、例年、年明け早々に実施していた野外活動(スキー、スノーボード)は廃止になります。時代や実態に即した変更があるのは、当然のことですね。

数年経ちましたが、18歳成人という大きな法改正があり、来年度からは高等学校の授業料無償化が始まる予定です。今現在、日本はここ数年では例を見ない税制改革が行われようとしているなど、皆さんの生活に直接関わることだけでも大きな社会制度・構造の変化が起きています。ですから、皆さんにはコロナ禍の対応と同じように様々な出来事に対し柔軟に、そしてそこには何らかの意図があるのではないかと深く考えながら過ごして欲しい思います。目の前の愉しみ事ばかりに時間を費やすのではなく、将来、社会で活躍できるよう、その土台づくりをしているのだと意識しながら高校生活を過ごしてください。

そうすると、挨拶や身なりを整えることの大切さ、勉強の面白味さや意義、自身の目標などが自ずと見えてきます。来年度、創立20周年を迎える本校の二十歳の誕生日を祝うために皆さんが主体になって来賓をもてなし、記念芸術鑑賞会を楽しみ、そして先輩方に感謝しながら21年目の歴史をつくる主役としての自覚や責任をもつよう、期待して止みません。今が正にその準備期間です。

間もなく見頃を迎える「桜の花」が美しいのは、寒い冬をじっと耐え、春の来るべき時に一気に開花するからです。中には寒桜とも呼ばれ、冬の寒い時期に開花することで知られる「河津桜」や「土肥桜」などもありますが、これらは人に例えるならば、一握りの特別な才能がある人か、或いは努力が結実した人と言えるのではないでしょうか。ひょっとすると、冒頭話した表彰伝達式で称えられた人たちのことかも知れません。

2年次生は、進路実現のためにもう1日たりとも無駄にできませんね。夏休み後、部活の引退をしてからとか、桜花祭や秋の体育祭後に頑張ればいいのだなどと努力を先送りにしていては、それだけの結果しか得られないのは明らかです。後輩の面倒を見ながら自分を磨く日々は辛く厳しいと感じる時もあるかも知れませんが、楽をしたい自分に打ち克ち、じっと絶えた暁には、夢の実現という素晴らしい結果が待っています。桜の花と同じです。今から3年次生、最上級生としての自覚と覚悟を期待します。

1年次生には、先月、「さくらレポート」で素晴らしい発表をしたことからも、本校で確実に成長した姿を垣間見ることができました。ご指導くださった「さくら市」の方からも、高校1年生ともなると、随分、研究内容に厚みが出るもんだとのお褒めのことばをいただいています。2年次生というポジションは、上級生と下級生に挟まれた中間年次生ですから、学校の中心であると考えてください。良い先輩を手本に、自分が歩んできた1年間よりも本校生として素晴らしい高校生になれるよう、後輩を導いてください。上にも下にも自分を省みる人たちがいるということは、本当に幸せなこと、全日制の学校に通うメリットだと思います。頑張ってください。

『生徒会誌』や『さくら清修高校新聞』に記したように、「夢は見るものではなく、叶えるもの」です。とは言っても、そう簡単に物事は進まず思い悩むのが人間、特に青春期の皆さんです。人は予期せぬことに出会うとネガティブな思考に陥る傾向がありますが、そんな時には「雨過天晴」ということばを思い出してください。降り止まない雨はありません。雨の後には、空高く大きな虹が架かる晴天が広がる様子を思い描き、ポジティブな思考に変えてください。同時に、事ある度に伝えてきた「自他ともに大切にする」ことも忘れずにいてほしいと思います。

自然界の「さくら」もすぐに満開になります。卒業式の式辞でも述べたように、前庭の「御衣黄」が萌黄色の花を咲かせる頃には新たなクラス、環境にも慣れ活気に満ちながらも落ち着いた学校生活を送っている皆さんの姿を見るのが、今から楽しみです。一人一人が卒業生が残した実績を上回り、「さくら清修高校」の佳き伝統の継承者となるべく、また、4月に迎える新入生の先輩としての自覚を持ち様々なことへの準備期間である春休みを有意義に過ごすよう期待し、式辞とします。