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ノート・レポート 第2学期終業式 式辞

温暖化の影響で夏休み後も気温が高い日が続き、いつの間にか冬になっていたと感じる程に秋が短かったと思います。月日が経つのは早く、第2学期、そして令和6(2024)年が終わろうとしているので、各自、生活を振り返り来学期や来年の目標を立てましょう。防寒と感染症予防のため、リモートでの配信とします。

季節毎に今年を振り返ってみます。夏には、パリで開催されたオリンピックとパラリンピックにより、世界中が感動の渦に巻き込まれました。日本の選手たちが多くの金メダルを獲得したことが、今年の漢字に「金」が選ばれた理由の1つでもあったように思います。改めて、将来の夢をオリンピック出場に定めたという人が、皆さんの中にもいるようですので応援しています。

秋の紅葉は、関東有数の紅葉狩りの景勝地がある本県に、今年も多くの観光客を誘いました。中でも、日光連山を背景にした一大パノラマ、「いろは坂」周辺の眺望が絶賛されるのは、日本にある35種類の楓のうち21種類がそこに自生しており、様々な色合いが秋の澄んだ空気に映えるからだと言われています。春の桜並木の美しさは、多くは淡いピンク一色によるものですが、紅葉の良さは多くの異なる色にあります。校内で、落葉の除去などの環境の整備にあたってくださる公仕さんへの感謝も忘れてはなりませんね。

総合学科である本校の特色の1つに、生徒一人一人の興味・関心、進路に応じた科目選択があるわけですが、これにより学びの幅が広がり、また、異なる学習集団が形成されるため他者理解も進みます。木々の紅葉のように、多様な彩―異なる価値観や個性―に溢れながらも規律ある生徒集団が、本校の魅力を生み出していると私は考えます。一人一人が違って当たり前、今後も自分らしさを模索し、そして発揮してください。

各地で、地震や豪雨などによる自然災害や戦禍により、尊い命までもが失われるという悲惨な現実を目の当たりにした年でもありました。そのような中、「日本原水爆被害者団体協議会」に10日、「ノーベル平和賞」が授与されました。特に2年次生には、修学旅行で長崎の平和公園を訪れるなど、平和学習に取り組んだこともあり、印象深い出来事の1つであったと思います。当然のことですが、命の尊さや平和の有り難さ、災害対策や環境保全について考えることも重要です。

今学期を振り返って見ると、いつにも増して大きな成果がありました。2,000名程の来校者があった「桜花祭」や縦割りのチーム編制で実施した「体育祭」などの学校行事では、皆さんのアイディアやホスピタリティー、互いに協力する姿が随所に見られました。先日は、生徒会や委員会、有志の生徒が中心になって企画した台湾の「新北市荘敬高職国際学校」から生徒40名を迎えての交流により、本校の良さを伝え、また、「国際理解とは何か」を知るヒントを得られたと思います。

「表彰伝達式」や「壮行会」でも披露したように、部活動では、ダンス部の「県新人ダンス大会」優勝や、県高文祭「写真展」特選での関東大会への出品、「美術展」最優秀賞による、2年連続の全国大会への出品決定といった輝かしい成果を写真部・美術部の人たちが修めています。他にも、さくらテラスでの「さくら市議会報告会」へのパネリスト参加などの様々な取組が、多くの方々に称賛されています。

以上、皆さんの活躍の一端を紹介しましたが、このような目立った活動をしたり、優れた成績を残すことは容易ではありません。「自分らしさ」を追究する中で、いつかその高みに到達するものですから、これからも学校生活のあらゆる機会―友人との語らい、読書、学校行事、部活動、ボランティア活動など―を大切にしていきましょう。本校は、役立つ豊富な資源に満ち溢れていますし、皆さんには大きな可能性があります。

3学期は瞬く間に過ぎていきます。卒業という大きな節目を迎える3年次生には、殊更に早く感じられるでしょう。全校生徒の皆さん、当然ながら「今という時間は今しかない」と肝に銘じ、また、「信頼できる大人への相談」も忘れずに、健康・安全に留意にしながら冬休みを過ごしてください。「自他ともに大切に」して、穏やかな年末と希望に満ちた新年を迎えられることを願って式辞とします。