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令和5年度入学式式辞

 百花繚乱。色とりどりの花々が咲き乱れる季節となりました。ただいま入学を許可いたしました新入生の皆さん、私たち栃木県立さくら清修高等学校の教職員一同、皆さんの入学を心より歓迎し、祝福いたします。本当におめでとう。
 春の息吹を感じるこの佳き日に、PTA会長 高野朋久 様のご臨席を賜り、そして保護者の皆様のご列席のもと入学式を挙行できますこと、誠に嬉しく存じます。ありがとうございます。
 本校は、氏家高等学校と喜連川高等学校の長い歴史と伝統を受け継ぎ、各自の興味や関心、進路に応じて幅広く選択できる科目と主体的な学習が特徴である総合学科の高等学校として、平成十八年に開校しました。「自主自立」「進取創造」「敬愛協働」の校訓を掲げ、学業のみならず、多くの生徒が部活動やボランティア活動などに熱心に取り組んでおる躍動感あふれる学校として知られています。
 さて、新入生の皆さんは大きな期待と少しばかりの不安を胸に、今まさに高校生活を開始しました。先輩方が残した確かな実績と地域の支え、先生方の指導の下、この3年間で飛躍的に成長することを期待しながら、次の二つのことをお願いします。
 まず一つ目は、「自他ともに大切にする」ということです。人は一人では生きられない。意識するしないにかかわらず、誰もが誰かに支えられ社会は成り立っています。常に感謝の気持ちを忘れず、自尊心や尊敬の念を抱ける人物になってください。コミュニケーション能力を高め、多くの友をつくりながら切磋琢磨することにより達成できると考えます。学級活動、生徒会活動、部活動や学校行事に一生懸命に取り組むよう、お願いします。
 二つめは、「感性を磨き、正しい価値観を身に付ける」ということです。国際化、情報化、温暖化、少子高齢化などのことばが行き交い、急激に押し寄せる変化の波に戸惑いや不安を感じている人が多い時代です。皆さんは、三年間の中学校生活、新型コロナウイルス感染症の影響をまるごと受けた人たちですが、同時に、学校休業や部分登校の実施、授業形態や学校行事の変更などの幾多の変化に対応し、困難を乗り切ってきた逞しい人たちでもあります。デジタル・トランス・フォーメーション、いわゆるDXの推進が学校教育にも求められていますが、進んで新たなものを吸収し、正確な分析力をもって、自らと社会に必要な情報の獲得と価値の創造に努めてください。そのためには、基礎学力はもとより、読解力や対話力、科学的な思考力が必要です。探求心と向上心をもって、日々の授業や家庭学習に臨んでください。学問は誰もが身に付けられる財産です。頑張ってください。
 ここで、幕末の思想家、教育者であった吉田松陰の言葉を紹介します。彼は明治維新で活躍した高杉晋作、伊藤博文らを育てた松下村塾の講師として知られていますが、「夢なきものに理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」という有名な言葉を残しています。大きな夢を抱き、高校生活を謳歌してください。そしていくつもの成功という花を咲かせることを期待します。
 結びに保護者の皆様、本日、お子様の姿をご覧になり、皆様のお慶びもさぞかしであろうと、心からお祝い申し上げます。本校の教育方針をご理解いただき、お子様の成長をともに連携を図りながらご支援くださるようお願い申し上げ、式辞といたします。
  令和5年4月7日
   栃木県立さくら清修高等学校  校長 熊田 孝幸