八千代会だより

平成26年度 創立記念式典について

創立記念式典・講演会
『小さい力でできたこと』 講師 猿山 弘子先生

 5月16日(金)は本校の創立記念日であり、今年度107周年を迎えました。式典後、同窓生であり旧職員の猿山弘子先生による『小さい力でできたこと』と題した記念講演会が行われました。
 現在「渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会」の事務局長として奮闘されている猿山先生は、小さな力でも国家を動かす大きな力となることを、ふたつの実体験をもとにお話し下さいました。
 1つ目は、栃木商業高校で勤務されていた時、生徒と共に調査した報告が国を動かし、企業の公害に対する意識改革につながったという例です。日本の高度経 済成長期、企業は大気汚染などの公害には目をつぶり、開発などを進めていました。そのような中、校庭で運動していた生徒が目の痛みなどを訴えたことから、 科学部と野球部が協力し、光化学スモッグの現状を調べ、研究会で発表したそうです。?action=common_download_main&upload_id=314
すると、それを当時の文部省が報告書に掲載しました。そのことが公害に対する企業の意識改革につながり、企業努力もあって重症被害者が減ったそうです。
 2つ目は、小さな町のシンポジウムでの出会いから、地道な活動によって渡良瀬遊水池の第2貯水池の建設を中止させ、ラムサール条約湿地登録まで至らせた ことです。署名活動や学校と協力したビオトープ作成活動などが国の遊水地レジャーランド建設計画を保全の方向へ動かしたそうです。
 先生はこの2つの例から、それぞれは小さいことでも、バトンのようにつなぐことで大きな力となることを示して下さいました。1つ1つは小さなことでも、 一人一人が主体的に考え行動することで目標は実現できるのです。私達も、日々の小さなことを積み重ねることを大切にしたいと思いました。