オーストラリア語学研修

平成26年度第25回オーストラリア語学研修報告

平成26年度

 第25回オーストラリア語学研修 日誌

 

7月22日(火)

いよいよ出発。午後1時30分頃、バスが学校に着く。参加生徒の1人が早くも学校に来ていた。

無事に全員がそろい、「出発式」を本校翔学館で行う。校長先生からの励ましの言葉をもらい、予定通り1445に成田空港へ向けて、参加生徒保護者の皆様を含む多数の方々に見送られ、出発する。途中、茨城県下妻市の「道の駅」で休憩を取る。そこからは空港までノンストップで行く。

空港には1830頃到着する。ジェットスターのチェックインカウンターは混んでいたが、空港自体は驚くほど空いていた。1時間ほどチェックインと入国審査にかかり、一旦出発ゲートの84番に生徒と行き、2020に再集合をかける。最終搭乗の時間が2045とあり、搭乗開始が少し遅れたが、空の旅は順調だったし、機内食もおいしかった。

いよいよ私たちの研修が始まった。お互いに精一杯頑張ろう。

            翔南高校での出発式の様子。みな緊張した面持ち

 

7月23日(水)

7時間のフライトでケアンズ国際空港に到着する。予定より30分以上も早く空港に着く。

入国審査を済ますと、現地の方が待っていてくれた。朝640に空港を出て、700には現地校に到着する。

800朝食、900オリエンテーション、10001200事前のクラス分け英語テスト。1200から昼食、1345~ジェームスクック大学見学と、途中何度か休憩が入るも、かなりハードなスケジュールだった。さすがに生徒たちの顔には疲労の色が濃くでていたが、しっかり予定をこなしていた。

現地校でのオリエンテーションの様子。校長笠原先生が熱く語る

 

ジェームスクック大学は、特に海洋学で世界的に有名な大学で、大きな水族館が大学内にあるのだが、この日はイギリスのBBCが撮影中というので、立入禁止になっており、見学できなかったのが残念だった。大学自体も年度が終わっているので、閑散としていた。しかし、世界的に有名な大学を見学できただけでもよかったと思う。生徒たちはすごく疲れていて、見学した内容を詳しくは覚えていないかもしれないが、いい経験になったと思う。

語学学校へ戻り、いよいよホストファミリーが迎えに来るのを待つ。一家庭ずつ、順に生徒を迎えに来てくれた。ホームステイの経験で一番緊張する場面である。

全員無事にホストファミリーに迎えに来てもらい、長い1日が終わった。生徒たちにとっても、今までで一番長い一日だったのではないだろうか。

              ジェームスクック大学訪問

 

7月24日(木)

 今日は午前中が動物園、午後が「ジャプカイ」という、いわゆるアボリジニーのテーマパークを訪れた。

 動物園といっても、上野動物園級の大きさはなく、こぢんまりとしていた。朝900に着いて、1250まで4時間近くいた。コアラを直に抱いて記念写真撮影ができた。オーストラリアでは州によってはコアラを直に触れないこともあるのでよかった。

 午後からは「ジャプカイ」へ行った。日本語で説明を受けた方がよりアボリジニーの文化について理解できると判断したので、日本人のスタッフにガイドを頼んだ。

 若い男性が狩りで使用する武器の説明や、「ディジュリジュ」という楽器の説明をしてくれた。次に、若い女性が木の実や薬草について話してくれた。そのあとステージで伝統的な踊りを披露してもらい、一部分は生徒が一緒に歌ったり踊ったりした。

 ブーメラン投げや、やり投げを1人ずつやった。生徒たちはなかなかうまくいかなかったようだが、よい体験になったと思う。

 

      動物園でコアラを直に抱いて写真撮影

              アボリジニーと一緒に踊る

 

7月25日(金)

 今日は、語学学校から歩いてすぐの距離にある”Trinity AnglicanCollege”を訪問した。小学校1年生から中学校1年生までが通う私立の学校で、ケアンズでは1,2を争う名門校なのだそうだ。

 本校生徒は24人なので、2名ずつ、12教室に割り振られた。まだケアンズに来て2日しか経っていないし、かなり年下の子どもたちに対して、本校の生徒たちは、なかなかうまく英語での話はできなかったようだが、休み時間には子どもたちと一緒に楽しそうに元気に遊ぶ光景が見られたのでよかった。

 生徒たちは英語でのコミュニケーションがうまくはとれなかったと思うが、少なくとも「言いたいことがあるのに、英語で言えなかった。」、「英語はうまく言えなかったが、何とか交流できた。」という感覚があったと思う。そういった日々の新しい気づきや思いが大切だ。

       訪問校でランチを子どもたちと一緒に 


7月26日(土)・27日(日)

 土曜日・日曜日は学校が休みなので、生徒はホームステイ先のホストファミリーと過ごすことになる。楽しい週末を過ごしてほしい。

 私は、朝早くに起きて700過ぎに海岸に散歩に行った。ケワラビーチという海岸がすぐ近くにあるが、落ち着いたきれいな海岸だ。犬の散歩をしている人が結構いた。つい最近、ここに日本のNHKが来て、「アルゴリズム体操」の撮影をしていったそうだ。

生徒たちは、明日からいよいよ英語を英語で1日中学ぶことになる。引率の私たちも英語の授業に参加するので、お互いに精一杯勉強しよう。

            語学学校近くのケワラビーチ

 

7月28日(月)~8月1日(金)

 820から授業が始まる。午前中2コマ、昼食をはさんで午後1コマの授業がある。生徒たちは、先週実施したテストの結果によってクラス分けされ、それぞれの教室で勉強する。語学学校の生徒のほとんどは成人で、日本、韓国、台湾の人が圧倒的多数であり、独特の雰囲気を醸し出している。ここでは私も生徒であり、生徒たちと一緒にカフェテリアで出された宿題をやった。

 ホストファミリーが生徒を迎えに来るのは16301730である。全員がホストに迎えに来てもらうまで見送りをした。

今週はこんな毎日だった。

8月1日(金)に再度テストがあった。来週からクラスが変わるようだ。

 そして、午後2時から盛大な卒業式があった。毎週末生徒の誰かが所定の期間の勉強を終了して卒業していく。たくさんの生徒が卒業を迎えた。おめでとうございます。みんなで写真を撮った。

           放課後、カフェテリアで宿題をする生徒たち

 

8月2日(土)3日(日)

 ケアンズに来て2度目の週末である。生徒たちは徐々にここでの生活に慣れてきたであろうか。今週1週間は、英語の授業を英語で3コマ毎日実施したので、何を言っているのか、何をどう英語で言ったらいいか分からず、大変だったことと思う。しかし、私たちはそういう経験をするためにここに来た。生徒たちには健康に留意し、残りの1週間も頑張ってほしい。

 

8月4日(月)~6日(水)

 今週は、3日間だけ先週に引き続き英語の授業を受けた。月曜と火曜の両日とでクラス替えがあった生徒がいたので、少し戸惑っていた。

 全21日間の研修で、英語の授業を受けたのは実質8日間だけだったが、生徒たちにとっては、今までで一番内容の濃い英語の授業だったのではないだろうか。英語を英語で学ぶ経験ができたのは貴重である。

 

授業風景

 

8月7日(木)

 今日は、1週目に訪れた”Trinity Anglican College”の本校を訪問した。

 朝は道が混雑していたので、予定より20分も遅れてしまったが、無事到着した。

 担当してくれた学校の方が、何とアトランタオリンピック(1996)のソフトボール代表のキャッチャーだった方で、日本にも何度も来たことがあるそうだ。こんな方に会えるなんて驚きだ。

 前回は小学生が相手だったが、今回は中学生が本校生徒1人1人についてくれて、1日授業体験をした。生徒たちは、授業がもちろんすべて英語で行われるので、詳しい内容まではわからなかったろうが、一生懸命ノートを取っていたので感心した。

 帰りに日本からのお土産として、鯉のぼりを渡した。喜ばれた。

 いよいよ明日が最後の行事でグリーン島に行くのだが、天気がよくなってほしい。

お世話になった御礼にお土産を渡す

 

8月8日(金)

 今日はグリーン島に行った。全員が時間通りに無事に集合場所に揃い、出発できた。

 船は「ビックキャット号」といって、結構大きな船だった。

天気が残念ながら悪く、海も少々荒れていたので、乗船客の多くが船酔いで苦しんでいた。

グリーン島にいる間は雨が降ったり止んだりで天気が不安定で、正直あまり楽しめなかった。しかし、こればっかりは仕方がない。

 天気悪い、気温低い、シャワーのお湯がほとんど出ないの三重苦で、生徒たちも大変だったことだろう。しかし、それなりには楽しめたようだ。帰りに記念撮影してきた。

 夕方にはお別れバーベキューパーティーの予定だったが、天気が悪く、短時間で終わってしまった。

 ほとんどの家庭が来てくれたので、簡単ではあったが、全員にお礼をいった。

 今日はとにかく天気が悪い中、全員が無事に帰れてよかった。明日・明後日の土日で最後となる。生徒のみなさん、よい週末を送って下さい。

グリーン島にて記念写真撮影

 

8月9日(土)10日(日)

 最後の週末である。生徒たちにはホストファミリーに感謝し、よい週末を過ごしてほしいと強く思う。

私事で恐縮だが、先週海岸への散歩の途中、ある初老の男性に声をかけられた。彼も台湾からの留学生のホストであるため、何度か学校で会うことがあった。また会ったのでお話しすると、「今夜一緒にディナーをどうか。」と誘われたので、もちろん行くことにした。私自身、今回はホームステイではないのに、ひょんなことから民家に招かれるとは嬉しい限りだ。人の出会いは本当に不思議だと痛感した。

 生徒のみなさん、月曜日はいよいよ日本に帰る日だ。いろいろなことを経験したことでしょう。絶対無事に日本に帰りましょうね。

               ラドクリフ夫妻と一緒に


8月11日(月)

 朝、時間通り全員集合した。平日なのでホストファミリーが全員集まってお見送りという訳にはいかなかったが、それぞれにそれぞれの別れがあった。

               ホストファミリーとの別れ 

 

空港で簡単な「卒業式」をした。生徒1人1人へ証書が手渡され、校長の笠原さんや担当の坂元さんからありがたいお話を頂戴し、スーツケースより中身の詰まったものを心の中に詰め込んで、日本に帰った。

 日本では数日台風が猛威をふるっていたようだが、私たちのフライトには何も影響がなく、幸運だった。

 空の旅も行きと同様に快適で、あっという間に日本に着いた。

 成田から学校へ行く帰りのバスの車中で、日本の家族から参加生徒それぞれに宛てた手紙を渡した。これは、ISAの登坂さんの提案で、事前に私が預かっていたものだ。生徒たちには何か感じるものがあったに違いない。

 夜遅かったものの、予定より30分早く学校に無事到着。保護者の方々や校長先生をはじめ数名の先生方のありがたい出迎えでこの研修を締めくくった。

 とにかく無事に終了できてよかった。参加生徒たちには、この経験を今後の生活に大いに生かしてほしい。

最後に、すべての人々に感謝し、この研修報告を終わりにします。

                    私たちの卒業式

 

 

英語科 加藤正雄