佐野天明鋳物
鋳物の知識

鋳造(ちゅうぞう)(鋳物作り)は、溶かした金属(湯)をあらかじめ用意しておいた鋳型(いがた)に注ぎ込んで固まらせて成形する、金属を扱う技法の一つです。

鋳型は外型と中子(なかご)(内型)からできていて、外型と中子のすきまに湯が流れ込んで製品となります。
鋳型には、惣型(そうがた)、蝋型(ろうがた)、生型(なまがた)などの種類があります。これらは、作り出す製品の形状や構造などによって使い分けられます。

●惣型
茶の湯釜(ゆがま)、鍋、梵鐘(ぼんしょう)や鰐口(わにぐち)などのように、形が軸を中心として回転体となる製品を作るのに用います。
これらの鋳型を作るために用いられるのが、木型(回し型、挽き型)で、軸を中心として回転させることによって、外型や中子の型を作り出す道具です。

●蝋型
古くからある鋳金の製法のひとつで、蜜蝋(みつろう)で原型を造り、これを砂型の中に埋め、乾燥後に蝋を溶かしてできた空間に、溶かした金属を注いで製品を作ります。
蜜蝋は可塑性があり細かい細工ができるため、主に、茶の湯釜のふたのつまみなどの製作に用いられます。

●生型
鋳型法の代表的なもので、湿ったままの砂で鋳型を作り、水分のある間に溶かした金属の湯を注ぐ方法です。
形態的に単純なもので、量産しようとする製品に多く用いられる技法で、鉄を素材にした鋳物がその主体を占めています。