簿記上の取引とは
・簿記上の取引とは
  簿記上の取引とは、資産・負債・資本の増減や収益・費用の発生の原因となることがらです。一般的な取引と簿記上の取引とはほぼ同じですが、一致しない部分もあります。例えば、商品の注文や建物を借りる契約は一般に取引といいますが、資産・負債・資本の増減や収益・費用の発生がないため、簿記上の取引とはなりません
 逆に現金の紛失や火災の被害は一般には取引といいませんが、資産が減少するため、簿記上の取引となり、帳簿に記帳します。
 
 
例題1
次の①~⑤は簿記上の取引となるか、考えてみよう。
①商品¥100,000を仕入れる注文をした。
②商品¥200,000を売り渡す契約を結んだ。
③従業員に給料¥250,000を現金で支払った。
④建物¥5,000,000が火災で焼失した。
⑤不動産屋と1か月¥80,000の家賃で店を借りる契約をした。
 
 
解答
①×②×③〇④〇⑤×
 
 
解説
①②⑤商品の売買契約や店を借りる契約は一般に取引と言いますが、資産・負債・資本の増減や 収益・費用の発生の原因とならないため、簿記上の取引とはなりません。
③現金という資産が減少し、給料という費用が発生しているため、簿記上の取引となります。
 
④火災による被害は一般に取引とはいいませんが、建物という資産が減少しているため、簿記上の取引となります。