木の葉石
木の葉石の研究はどのように行われてきたか

塩原湖成層(しおばらこせいそう)から産出した化石について最初に研究したのは、スウェーデンの科学者ナトホルスト(A.G.Nathorst)氏でした。
明治(めいじ)21年(1888年)に出版された彼の報告によると、オレオノ・ミズメ・ミズナラ・ブナ・カツラ・カエデなどわずか15種類が明らかにされただけでした。
明治38年(1905年)に、中塩原に「木の葉化石園(このはかせきえん)」が開園し、それ以来ずっと化石の採掘が続けられています。
産出する化石の種類も次第に増え、1940年頃には100種に、そして現在では220種を超えています。
主として温帯植物が多く産出されます。

また、「木の葉石」といっても木の葉の化石ばかりではなく、木の実・花・草やトンボ・蚊などの昆虫・淡水魚のウグイ・両生類のカエルなども産出されます。
さらに、化石を含んでいる泥岩を科学的に処理しますと、肉眼では見ることのできない花粉の化石や、植物プランクトンのけい藻なども出てきます。