研修報告

令和7(2025)年度 音楽専門研修

 

目  的 曲想と音楽の構造との関わりなどについて理解しながら、音楽のよさや美しさを味わい、主体的に鑑賞する能力を育てるための指導法について、演習を通して理解を深め、授業力の向上を図る。
日  時 令和 7(2025)年 8月 8日(金) 9:30~16:00
対  象 全校種の音楽、芸術科音楽を担当している教員
研修内容 1 講話・演習「音楽を聴き深める力を育てる鑑賞指導の工夫」
2 演習「音楽を聴き深める力を育てる授業づくり」
講  師 宇都宮大学大学院教育学研究科教授 小原 伸一 氏
総合教育センター職員
研修の様子
 
受講者の声
  • すぐに授業で実践できるような工夫をたくさん学ぶことができました。今まで鑑賞の授業を行う際には指導書通りに教えることが多かったのですが、教員自らがその音楽の魅力や面白さを事前に研究し、見出すことが必要だと感じました。
  • 様々な校種の先生方と協議することで幅広い知識を得ることができました。
  • 午後の協議では、鑑賞の授業づくりをベースに「鑑賞における学びとは何か」について改めて考えを深めることができました。子どもの実態を思い浮かべながら、鑑賞の授業にどう生かしていくかを考える、非常に有意義な時間となりました。
研修担当者からの
メッセージ
 宇都宮大学大学院教育学研究科 小原伸一教授の講話では、音楽に対して児童生徒の様々な感じ方を豊かにすることが大切であり、それを支援することが鑑賞の授業であることを学びました。演習では、午前の講話を参考にしながら題材計画を班で考えたことで効果的な活動例を共有でき、指導力の向上につながったと思います。
 
 

 

 

 

 

令和7(2025)年度 情報専門研修(高等学校)

 

目  的 学習指導要領を踏まえた指導の在り方を理解し、実践事例や単元計画の研究を通して、指導力の向上を図る。
日  時 令和 7(2025)年 8月 4日(月) 9:30~16:00
対  象 高等学校、特別支援学校(高等部)の情報科を担当する教員
研修内容 1 講話「データサイエンスの意義と応用」
2 研究協議「実践事例や単元計画の研究を通して考える教科情報の授業」
講  師 宇都宮大学データサイエンス経営学部教授 河本 満 氏
総合教育センター 職員
研修の様子
 
受講者の声
  • データサイエンスにおいて重要な力は「問いを立てる力」や「データから洞察を得る力」であるということは非常に参考になりました。また、実際に授業をする際には、データサイエンスが農業やスポーツなどの幅広い分野で活用されているということを伝えたいと感じました。
  • 授業を設計するにあたり、複数名でのディスカッションにより多面的な視点から気づきを得ることが大切だと実感しました。自分一人では意識することなく流してしまう点など、立ち止まって検討することができたと思います。
研修担当者からの
メッセージ
 今年度の研修は、県内の大学でデータサイエンスの研究をしている先生をお招きしました。データサイエンスの先端事例を交え、その意義や応用についてお話を頂くことにより、先生方の指導力の向上とともに、意欲の向上に繋がったと思います。午後は昨年度同様に研究協議を行いましたが、どのグループも積極的に話合いを行い、多くの先生方に満足いただける研修となりました。来年度も有意義な研修の場を提供していきたいと思います。
 
 

 

 

 

 

令和7(2025)年度 家庭、家庭分野専門研修

 

目  的 家庭、家庭分野における学習内容や応用的な内容等の指導法について理解を深め、家庭、家庭分野担当教員としての実践的な指導力の向上を図る。
日  時 令和 7(2025)年 7月31日(木) 9:30~16:00
対  象 小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の家庭科、技術・家庭科(家庭分野)を担当している教員
研修内容 1 講話 「消費生活における指導法」
2 講話 「若者に多い消費者トラブル~成年年齢引下げを踏まえて~」
3 講話・演習 「教材を活用した消費者教育を考えよう!」
講  師 くらし安全安心課消費生活相談員 鈴木美恵子 氏
公益財団法人消費者教育支援センター主任研究員 小林 知子 氏
総合教育センター職員
研修の様子
 
受講者の声
  • 消費者教育は年々情報が新しくなっていくので、今回の研修で「今どの様な事案が発生しているのか」を知ることができ、自分自身とても勉強になりました。今後も常にアンテナを高くし、情報収集を続けていくことが大切だと感じました。
  • ロールプレイングや、クイズ形式での学びを紹介していただきました。具体的な数値や事例を子どもたちに伝えることで、興味関心を高めることにつながると実感しました。困ったときに相談できる場所があることや、助けてもらうための材料をそろえておくことの重要性もしっかりと伝えていきたいです。
  • 実際に体験することの大切さを、身をもって学ぶことができました。体験を通して得られる気づきの多さに驚かされました。
  • 授業では「契約」という観点に偏りがちですが、児童労働・食品ロス・フェアトレードなど、多角的な視点で考える必要があると感じました。そのため、「消費生活分野」という枠を超えて、どれだけ生徒たちに消費や経済の視点を意識させる授業展開をするかが大切だと思いました。現在は食生活分野を学習しているので、食品ロスや表示について取り上げ、実践してみたいです。
研修担当者からの
メッセージ
 消費生活分野は、指導するにあたり苦手意識を持つ先生方が多いのではないかと思います。今回の研修では、消費生活分野の指導内容を確認するとともに、子どもたちに多く見られる消費者トラブルの事例を知ることができ、指導のポイントを具体的に学ぶことができました。また、実物や写真を見たり、体験(疑似体験)をしたりすることで、授業を考えるための多くのヒントを得ることができたのではないでしょうか。
 講話・演習を通して得た新たな気づきや学びを、今後の授業改善に活かしていただきたいと思います。
 
 

 

 

 

 

令和 7(2025)年度 英語専門研修(高)

目  的 研究協議と講話・演習を通して、高等学校段階における英語教育の在り方について理解する。
日  時 令和 7(2025)年 7月30日(水) 9:30~16:00
対  象 高等学校、特別支援学校(高等部)の英語科を担当している教員
研修内容 講話・演習「今求められている外国語教育と授業づくり」
講話・演習「『論理・表現』の指導の在り方と実践」
講  師 群馬大学共同教育学部講師 津久井 貴之 氏
総合教育センター職員
研修の様子
 
講話・演習「今求められている外国語教育と授業づくり」
講話・演習「『論理・表現』の指導の在り方と実践」
受講者の声
  • 他の班の方で、目的・場面・状況を設定するのが上手な方がいらっしゃったので非常に参考になりました。
  • 『論理・表現』は、文法ベースの授業を行うものだと思い込んでいたため、発信能力の育成が目標として掲げられていることに、恥ずかしながら驚きました。言語材料を精選しながら、生徒たちのアウトプットを増やす言語活動を組み込んでいきたいです。
  • 説明を最初にするのではなく、まず「やらせてみる」、次に説明して、「訂正させてみる」の順番で授業を組み立てるように改善してみたいと思いました。
  • アウトプットは、それ自体を目的にするのではなくて、インプットのためのアウトプットということを聞き、目から鱗でした。まずは発信をしてみる。そこから、必要な表現を学ぶという中間指導の流れを今後は実践していきたいと思いました。
  • 「英語教師が授業中に英語を使用する意味・目的」「授業における誉め言葉(フィードバック)の在り方」という授業の根幹となる部分について改めて振り返ることができました。
研修担当者からの
メッセージ
 今年度の英語専門研修は『論理・表現』にスポットを当てており、一日を通して『論理・表現』の授業の在り方について考えました。
 午前は『論理・表現』の科目の目標や内容について確認し、グループごとに単元の計画や個々の授業について協議しました。どのグループも活発な議論がなされており、テーブルごとの模擬授業では、言語活動について様々なアイディアを共有することができました。
 午後は群馬大学共同教育学部講師の津久井貴之先生により「『論理・表現』の指導の在り方と実践」と題した講話を頂きました。具体的な指導法についてもご教授いただき、受講者も大変熱心に耳を傾けていました。津久井先生が実際に『論理・表現』の授業で使われたワークシートも共有して頂き、授業の在り方について具体的にイメージすることができました。
 受講された先生方、一日の研修大変お疲れ様でした。この研修を通して学んだことを、日々の授業改善に役立て、各学校の同僚の先生方と共有して頂ければ幸いです。
 

令和 7(2025)年度 授業研究活性化プログラム

目  的 授業研究の意義や効果的な進め方について理解を深め、授業研究の充実を図る。
日  時 令和 7(2025)年 7月31日(木) 9:30~16:00
対  象 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校において、授業研究について学びたい教諭等
研修内容 講話・演習「教師が学び合い、育ち合う授業研究」
講  師 東京学芸大学教職大学院准教授 渡辺 貴裕
研修の様子
 
受講者の声
  • 大学院生の方や他地区・他校種の先生方とグループ協議をして、いろいろな意見をお聞きできました。日頃思っていることや考えていることなどを共有したり、学びを深めるための工夫、リフレクションについて学んだりでき、勉強になりました。学んだことを勤務校に持ち帰り、学習指導主任、学校課題担当として、今後の授業研究会を少しずつ改革していきたいと思います。
  • 授業研究というと、授業者が参観者からアドバイスを聞くというイメージが浸透してしまっていたのですが、今回の研修を受けて、参観者がお互いに感じたことを伝え合うスタイルのほうが、意見をより伝えやすく、内容が深まっていくように思いました。今後、自分の学校でも実践していきたいと思いますが、今までの進行のスタイルがあったので、すぐに学校全体で変えていくのは難しいかもしれません。まずは、自分が研究授業を見に行ったときに、子供の様子だけを伝えるのでなく、一緒に学んでいる立場になって、感じたことを素直に授業者に伝え、一緒に指導方法を考えていければと思います。自分が授業者になったときにも、参観者から、どう感じたか、どういう指導法が伝わりやすいかなど、率直な意見を聞いてみたいです。
  • 授業研究の持ち方について、新たな方法を知ることができました。話し合いの方法や授業の見方が決まってしまっていて、深め合うことが難しかったので、対話的な手法を取り入れていきたいと思います。早速、2学期に研究会があるので、学習者の視点で捉えることができるように働きかけようと思います。また、リフレクションについてもとても勉強になりました。リフレクションを上手く活用して、自分自身の指導のスキルも見つめ直していきたいと思いました。
研修担当者からの
メッセージ
 東京学芸大学の渡辺先生からは、受講者が質の高い授業研究のイメージをもつための授業づくりやリフレクションの考え方を使ったワーク、授業研究の多様な在り方についても紹介していただきました。大学院生を交えた模擬授業や、対話型の研究協議を中心とした演習には、受講者が実感を伴いながら学ぶ姿や前向きなコメントが多く見られ、自校にどのように取り入れていくかという考える場も設定することができました。