研修報告

令和7(2025)年度 家庭、家庭分野専門研修

 

目  的 家庭、家庭分野における学習内容や応用的な内容等の指導法について理解を深め、家庭、家庭分野担当教員としての実践的な指導力の向上を図る。
日  時 令和 7(2025)年 7月31日(木) 9:30~16:00
対  象 小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の家庭科、技術・家庭科(家庭分野)を担当している教員
研修内容 1 講話 「消費生活における指導法」
2 講話 「若者に多い消費者トラブル~成年年齢引下げを踏まえて~」
3 講話・演習 「教材を活用した消費者教育を考えよう!」
講  師 くらし安全安心課消費生活相談員 鈴木美恵子 氏
公益財団法人消費者教育支援センター主任研究員 小林 知子 氏
総合教育センター職員
研修の様子
 
受講者の声
  • 消費者教育は年々情報が新しくなっていくので、今回の研修で「今どの様な事案が発生しているのか」を知ることができ、自分自身とても勉強になりました。今後も常にアンテナを高くし、情報収集を続けていくことが大切だと感じました。
  • ロールプレイングや、クイズ形式での学びを紹介していただきました。具体的な数値や事例を子どもたちに伝えることで、興味関心を高めることにつながると実感しました。困ったときに相談できる場所があることや、助けてもらうための材料をそろえておくことの重要性もしっかりと伝えていきたいです。
  • 実際に体験することの大切さを、身をもって学ぶことができました。体験を通して得られる気づきの多さに驚かされました。
  • 授業では「契約」という観点に偏りがちですが、児童労働・食品ロス・フェアトレードなど、多角的な視点で考える必要があると感じました。そのため、「消費生活分野」という枠を超えて、どれだけ生徒たちに消費や経済の視点を意識させる授業展開をするかが大切だと思いました。現在は食生活分野を学習しているので、食品ロスや表示について取り上げ、実践してみたいです。
研修担当者からの
メッセージ
 消費生活分野は、指導するにあたり苦手意識を持つ先生方が多いのではないかと思います。今回の研修では、消費生活分野の指導内容を確認するとともに、子どもたちに多く見られる消費者トラブルの事例を知ることができ、指導のポイントを具体的に学ぶことができました。また、実物や写真を見たり、体験(疑似体験)をしたりすることで、授業を考えるための多くのヒントを得ることができたのではないでしょうか。
 講話・演習を通して得た新たな気づきや学びを、今後の授業改善に活かしていただきたいと思います。
 
 

 

 

 

 

令和 7(2025)年度 英語専門研修(高)

目  的 研究協議と講話・演習を通して、高等学校段階における英語教育の在り方について理解する。
日  時 令和 7(2025)年 7月30日(水) 9:30~16:00
対  象 高等学校、特別支援学校(高等部)の英語科を担当している教員
研修内容 講話・演習「今求められている外国語教育と授業づくり」
講話・演習「『論理・表現』の指導の在り方と実践」
講  師 群馬大学共同教育学部講師 津久井 貴之 氏
総合教育センター職員
研修の様子
 
講話・演習「今求められている外国語教育と授業づくり」
講話・演習「『論理・表現』の指導の在り方と実践」
受講者の声
  • 他の班の方で、目的・場面・状況を設定するのが上手な方がいらっしゃったので非常に参考になりました。
  • 『論理・表現』は、文法ベースの授業を行うものだと思い込んでいたため、発信能力の育成が目標として掲げられていることに、恥ずかしながら驚きました。言語材料を精選しながら、生徒たちのアウトプットを増やす言語活動を組み込んでいきたいです。
  • 説明を最初にするのではなく、まず「やらせてみる」、次に説明して、「訂正させてみる」の順番で授業を組み立てるように改善してみたいと思いました。
  • アウトプットは、それ自体を目的にするのではなくて、インプットのためのアウトプットということを聞き、目から鱗でした。まずは発信をしてみる。そこから、必要な表現を学ぶという中間指導の流れを今後は実践していきたいと思いました。
  • 「英語教師が授業中に英語を使用する意味・目的」「授業における誉め言葉(フィードバック)の在り方」という授業の根幹となる部分について改めて振り返ることができました。
研修担当者からの
メッセージ
 今年度の英語専門研修は『論理・表現』にスポットを当てており、一日を通して『論理・表現』の授業の在り方について考えました。
 午前は『論理・表現』の科目の目標や内容について確認し、グループごとに単元の計画や個々の授業について協議しました。どのグループも活発な議論がなされており、テーブルごとの模擬授業では、言語活動について様々なアイディアを共有することができました。
 午後は群馬大学共同教育学部講師の津久井貴之先生により「『論理・表現』の指導の在り方と実践」と題した講話を頂きました。具体的な指導法についてもご教授いただき、受講者も大変熱心に耳を傾けていました。津久井先生が実際に『論理・表現』の授業で使われたワークシートも共有して頂き、授業の在り方について具体的にイメージすることができました。
 受講された先生方、一日の研修大変お疲れ様でした。この研修を通して学んだことを、日々の授業改善に役立て、各学校の同僚の先生方と共有して頂ければ幸いです。
 

令和 7(2025)年度 授業研究活性化プログラム

目  的 授業研究の意義や効果的な進め方について理解を深め、授業研究の充実を図る。
日  時 令和 7(2025)年 7月31日(木) 9:30~16:00
対  象 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校において、授業研究について学びたい教諭等
研修内容 講話・演習「教師が学び合い、育ち合う授業研究」
講  師 東京学芸大学教職大学院准教授 渡辺 貴裕
研修の様子
 
受講者の声
  • 大学院生の方や他地区・他校種の先生方とグループ協議をして、いろいろな意見をお聞きできました。日頃思っていることや考えていることなどを共有したり、学びを深めるための工夫、リフレクションについて学んだりでき、勉強になりました。学んだことを勤務校に持ち帰り、学習指導主任、学校課題担当として、今後の授業研究会を少しずつ改革していきたいと思います。
  • 授業研究というと、授業者が参観者からアドバイスを聞くというイメージが浸透してしまっていたのですが、今回の研修を受けて、参観者がお互いに感じたことを伝え合うスタイルのほうが、意見をより伝えやすく、内容が深まっていくように思いました。今後、自分の学校でも実践していきたいと思いますが、今までの進行のスタイルがあったので、すぐに学校全体で変えていくのは難しいかもしれません。まずは、自分が研究授業を見に行ったときに、子供の様子だけを伝えるのでなく、一緒に学んでいる立場になって、感じたことを素直に授業者に伝え、一緒に指導方法を考えていければと思います。自分が授業者になったときにも、参観者から、どう感じたか、どういう指導法が伝わりやすいかなど、率直な意見を聞いてみたいです。
  • 授業研究の持ち方について、新たな方法を知ることができました。話し合いの方法や授業の見方が決まってしまっていて、深め合うことが難しかったので、対話的な手法を取り入れていきたいと思います。早速、2学期に研究会があるので、学習者の視点で捉えることができるように働きかけようと思います。また、リフレクションについてもとても勉強になりました。リフレクションを上手く活用して、自分自身の指導のスキルも見つめ直していきたいと思いました。
研修担当者からの
メッセージ
 東京学芸大学の渡辺先生からは、受講者が質の高い授業研究のイメージをもつための授業づくりやリフレクションの考え方を使ったワーク、授業研究の多様な在り方についても紹介していただきました。大学院生を交えた模擬授業や、対話型の研究協議を中心とした演習には、受講者が実感を伴いながら学ぶ姿や前向きなコメントが多く見られ、自校にどのように取り入れていくかという考える場も設定することができました。
 

令和7(2025)年度 小学校理科観察実験研修

 

目  的 小学校理科における観察、実験の指導に必要な初歩的技能及び実践的技能を身に付け、教科指導力の向上を図る。
日  時 令和 7(2025)年 7月24日(木) 9:30~16:00
対  象 観察、実験での安全指導の仕方や器具の基本的な扱い方から効果的な活用の仕方、日常生活との関連を配慮した授業の進め方など、実践的な指導技術を学びたいと考えている教員
研修内容 講話・実習「水溶液について」
講話・実習「動植物の働きについて」
講話・実習「気体採取器・気体検知管の活用」
講話・実習「天気について」
講  師 民間企業関係者
総合教育センター職員
研修の様子
 
受講者の声
  • ろ過の仕方について、漏斗の足の部分とガラス棒の位置関係の理由がよく分かりました。改めて、全国学力・学習状況調査の理科の問題と関連させ、必要な知識・技能を確認していくことの大切さを感じました。
  • 教科書に載っている葉だけでなく、学校にある様々な葉でも実験してみたいと思いました。また、実験を行う環境を整えながら成功体験を積ませるだけでなく、実験がうまくいかなかったときにも思考が深まる、そんな指導ができたらと思います。
  • 気体検知管は、ガラスを使用するため、使用の際に安全面の注意が必要だと感じました。また、指導に当たっては、「今何を調べたいのか」「そのためにどの検知管を使うのか」をしっかりと児童と共有することが必要だと思いました。
  • 気温を1時間ごとに測る観察では、児童に1日温度計を持たせておき、GoogleFormsなどを使って児童が測定結果を随時送る方法は便利だと思いました。グラフ化にも役立ち、こまめな記録も可能です。具体的な方法を教えていただいたので活用していきたいです。
研修担当者からの
メッセージ
 教員が指導困難と感じる内容(水溶液、天気、動植物の働き)について、個別の観察、実験として実施することで、受講者の観察、実験に対する操作の習熟を図り、理解を深めることができました。また、夏休み中に準備を進めていきたいという思いも芽生えたようです。次に、安全への配慮を要する内容について、外部講師(気体検知管の製作会社)による講話・演習として実施することで、安全な指導法について、実感を伴いながら理解することができました。そして、日常とのつながりをより意識することができたようです。
 
 

 

 

 

 

令和 7(2025)年度 数学専門研修(高)

目  的 数学的活動の理解を深めるとともに、指導力の向上と授業の工夫を図り、魅力ある数学科授業を創造する。
日  時 令和 7(2025)年 7月23日(水) 9:30~16:00
対  象 高等学校、特別支援学校(高等部)の数学科を担当している教員
研修内容 講話「高校で数学を学ぶ意義、そしてその先にあるもの」
研究協議「魅力的な授業の創造」
講  師 宇都宮大学共同教育学部助教 安達駿弥 氏
総合教育センター職員
研修の様子
 
講話「高校で数学を学ぶ意義、そしてその先にあるもの」
研究協議「魅力的な授業の創造」
受講者の声
  • 数学を学ぶ意義を改めて考える良い機会となりました。
  • 微分方程式の講話では、初期条件を変えるだけで未来を予測できるという内容が、数学を学びそれをどのようにして活用していくのか実感できる内容でした。今後の授業実践に活かしていきたいです。
  • 「単元を作る」という発想自体がこれまであまりなかったので新鮮でした。「単元の問い」や「パフォーマンス課題」等を取り入れていきたいと感じました。
  • 授業を行う上での「目標」について、考えさせられました。授業の目標が問題を解けることになっていないか、というご指摘があり、深く反省しました。単元ごとの目標を設定し、正解を求めることに満足せず、資質・能力を育成する手立てを考えて授業したいと思います。
研修担当者からの
メッセージ
 午前の講話では、学習指導要領解説に記載の「高等学校における数学教育の意義」を起点として、数学科の教員に求められる資質・能力について考えるきっかけをいただきました。また、日常や社会の事象を数学化し、そこから得られる微分方程式を題材に演習を行い、生徒が持つであろう「問い」について、考えることができました。受講者の皆さんは改めて「何のために生徒が数学を学ぶのか」について考え、魅力ある授業を創造するための方向性について、理解を深めることができたようです。
 午後の研究協議では、探究的な授業について目線あわせを行い、グループで単元の問いやパフォーマンス課題等を考える演習を行いました。受講者の皆さんは、教科書通りに単元を構成するのではなく、単元の目標や単元の問いに基づいて単元を構成し、資質・能力を育成することに対するイメージを持つことができたようです。
 

令和7(2025)年度 教科等専門研修(図工、美術)

 

目  的 図工、美術におけるICTを活用した効果的な指導法を身に付け、授業力の向上を図る。
日  時 令和 7(2025)年 7月28日(月) 9:30~16:00
対  象 図画工作科、美術科、芸術科美術を担当する教員
研修内容 1 講話・演習「ICTを活用した図画工作科の授業づくり」
2 演習「ICTを活用した美術科の授業づくり」
講  師 小・中学校教員
総合教育センター職員
研修の様子
 
受講者の声
  • ロイロノートを活用し、鑑賞や製作活動に生かしていきたいです。また、絵の具で色を塗るときに、抵抗感を感じている児童への支援に難しさを感じていましたが、紹介していただいたICTを活用してデータ上で色塗りをする方法は、何度もやり直しができるので、ぜひやってみたいと思います。
  • デザインの授業で、失敗を恐れず、たくさんの形の組み合わせや、様々な色を試すことができるのは、ICTの良さだと思いました。失敗したくなくて製作が進められない児童もいますが、ICTはやり直しが簡単であることも利点だと思います。今後、効果的に利用していきたいと思います。
研修担当者からの
メッセージ
 ICTの活用については、題材のどの場面で活用したら良いか分からず、指導に課題を抱えている先生方も多いのではないでしょうか。今回の演習では、ICTを活用した題材を通して、ICTの活用方法や活用することのメリットを実感しながら学ぶことができたと思います。本研修で学んだことを、授業改善につなげていただきたいと思います。
 
 

 

 

 

 

令和7(2025)年度 社会科専門研修(小)・(中)、地歴・公民専門研修

 

目  的 地域史料の価値と活用方法について理解を深めるとともに、地域史料を活用した授業づくりについての研究協議を通して指導力の向上を図る。
日  時 令和 7(2025)年 6月24日(火) 9:30~16:00
対  象 小学校、特別支援学校(小学部)の社会科を担当している教員
中学校、特別支援学校(中学部)の社会科を担当している教員
高等学校、特別支援学校(高等部)の地歴科・公民科を担当している教員
研修内容 1 講話・演習   「学校教育における地域史料の活用」
2 研究協議    「地域史料を活用した授業づくり」
講  師 県立文書館 副主幹  月井  剛 氏
県立文書館 指導主事 鯉沼 美沙 氏
総合教育センター職員
研修の様子
 
受講者の声
  • 身近な地域のことを取り扱うことができる地域史料は、リアリティを体感することができ、生徒の興味や関心を引き出し、地域の伝統や日本の歴史への理解を深めるきっかけとなると感じました。文書館職員の協力を仰ぎながら、史料の難易度を見極めつつ、学習指導要領の内容に沿った授業実践を心掛けたいです。
  • 多くの地域史料を見ることができ、さらに触れることもできてとても有意義な研修となりました。月井先生の熱意あふれるお話がとても印象的で、積極的に地域史料を活用した授業を実践していきたいと思いました。配布された史料についても授業に活かせるだけでなく、自己研鑽にも活かせる素晴らしいものでした。
  • 本校の児童は今まで実際の史料にふれる機会があまりなかったため、今後は計画的に教材研究を進め、児童の心に残るような授業づくりをしたいと思います。また中学校、高校の先生方と意見を交わすことができ、とても貴重な経験になりました。他校種の先生方が考えられていた取り組みについても自分に落とし込みたいと思います。
研修担当者からの
メッセージ
 県立文書館の職員の地域史料の活用や教材化にあたってのポイント、文書館が実施する学校支援事業の紹介などの話の後、実践事例をもとにした地域史料を活用した授業を体験しました。受講者も児童・生徒目線で授業を体験することで、午後の授業づくりに向けてイメージを膨らませることができました。
 研究協議では、午前中に紹介のあった地域史料を活用する指導案や文書館職員と連携する指導案を各自作成しました。授業の新しい切り口や、思考を深める「問い」について考えるとともに、校種を越えて指導案を共有することによって、小学校、中学校、高等学校の連携の重要性について再認識することができました。
 受講された先生方には、講話・演習、研究協議を通して得た新たな学びを今後の授業に活かし、子ども一人一人の資質・能力の向上につなげていただきたいと思います。