小高生へ(14)

チャップリンの名言~人生の哲学

 「校長室より」のページから、生徒の皆さんへメッセージを送っていきたいと思っています。感想や要望がありましたら、気軽に声をかけてください。

 チャップリンを知っていますか? チャップリンの映画を観たことはありますか?

 チャップリンは、イギリス出身でアメリカで活躍した映画俳優です(1889年生・1977年没)。俳優であるだけなく、映画監督、脚本家、映画プロデューサー、映画音楽の作曲家でもありました。山高帽をかぶり、ちょび髭をつけ、窮屈な上着を着て、ステッキを持ち、大きな靴をはいているコミカルな姿が、一般的なイメージかもしれません。しかし、チャップリンが制作した映画の内容は多岐にわたり、喜劇的なドタバタだけでなく、生きていくことの悲哀、弱者への優しさ、不屈の精神、複雑な善悪、愛情の機微などが描かれ、社会的な主題への広がりもあり、まさしく「人生の哲学」そのものです。チャップリンの映画に出てくる名言のいくつかを紹介します。

「人生は恐れなければ、とても素晴らしいものだ。必要なのは、勇気と想像力と、少しのお金だ。」(映画『ライムライト』より)

「私たちは皆、助け合いたいのだ。人間とはそういうものだ。私たちは皆、他人の不幸によってではなく、お互いの幸福によって生きたいのだ。私たちは憎しみ合ったり、見下し合ったりしたくはないのだ。」(映画『独裁者』より)

「下ばかり向いていたら、虹を見つけることはできないよ。」(映画『サーカス』より)

(人生に絶望しても生きるのかという問いに対して)「瞬間(いま)を生きればいいんだ。素晴らしい瞬間はいくらでもあるよ。」(映画『ライムライト』より)

(生きるのに疲れてしまったと言う相手に)「自分と闘うから(疲れるの)だ。あきらめてはいけない。幸福になるために闘うんだ!」(映画『ライムライト』より)

「1人殺せば悪党だが、(戦場で)100万人殺せば英雄だ。数が殺人を神聖なものにするのだ。」(映画『殺人狂時代』より)

「あなたたち誰もが力を持っている。この人生を自由で美しくする力を、この人生をすばらしい冒険にする力を持っているのだ。」(映画『独裁者』より)

「時は偉大な作家だ。いつも完全な結末を書く。」(映画『ライムライト』より)

 漫画家の手塚治虫は、チャップリンの映画には「全てがある」と語っていたそうですが、「納得」です。チャップリンのメッセージは、人生の苦難に立ち向かう私たちの「背中を押して」くれます。生きることは、楽しいことばかりではなく、時に悲しく、あまりにも苦しく、大声をあげて泣きたくなることもあります。でも、チャップリンは時を超えて、私たちに語りかけます、「負けるな! 生きろ!」と。チャップリン自身が、「喜劇王」と呼ばれるほどの名声や富ばかりでなく、幼年期の貧困や、名声を得てからもアメリカから追放されるなど多くの苦難と闘いながら人生を歩み続けた人でした。たとえ今が苦しくとも、負けずに誠実に生きていると、必ず希望の光が見える道が拓けます。だって、「時は偉大な作家」であり、「いつも完全な結末を書く」のですから。人生七転び八起き。人間万事塞翁が馬。負けるな、小高生!! いつも応援しています。