校長室便り

【高2】土曜講座「哲学カフェって何?」

6月12日(土)10:30~11:20、受講希望者(30数名)を対象とした「哲学カフェって何?」と題する講座を開催しました。講師は、阿見拓男先生です。

講師の阿見拓男先生は、現在、足利女子高校で地歴公民の講師をされていますが、小山西高校で一緒に勤務したことがあり、倫理や哲学がご専門で、学識の高い先生です。

昨今、学校での「哲学対話」や「ビジネス哲学研修」が注目を集めており、今年1月、NHKのよるドラでも「ここは今から倫理です。」(原作:雨瀬シオリ、主演:山田裕貴)が放送されました。番組の中でも「哲学対話」が行われており、考えることの重要性を再認識しました。今回は、久保田先生、根岸先生の企画により、本講座が実現しました。


講義は、まず「哲学対話とは」から始まり、簡単な実習も行われました。












その後、「哲学カフェって?」というテーマで、「哲学カフェ」の特徴、「哲学する」って?、コツは?、充実した対話のために、という視点から、お話くださいました。
後半の重要な部分については、残念ながら、ラグビーの大会の応援のため中座させていただきましたが、講座終了後に参加した生徒が書いてくれた感想を読むと、本講座は生徒にとって、とても刺激的だったようです。阿見先生、ありがとうございました。

最後に、何人かの感想を紹介します。
「私たちは気付かない間に先入観を持っていて、そのことに気付くかどうかが大切であることがわかった。対話で反論されると、つい私も落ち込んでしまうが、反論と否定は全く違うものであり、反論があるからこそ、自分の意見をより深いものにできる、ということを改めて知ることができた。」

「哲学に関する話し合いとは、単なる意見交換だと思っていたのが、まず間違っていた。発言する・しないが自由であること、など、初めて聞く視点がたくさんあった。多数決で少数意見を大切にするメソッドの話は、今、ちょうど進めている旭城祭の準備でぜひ実行したいと思った。今後、機会があれば、「哲学カフェ」に参加したい。」

「学校で得るものと社会で求められるものは違うと知った。学校では学べない貴重なお話でした。学問において、先生方は問う存在であるという考え方を知ることができた。また、自分が知らないうちに先入観や偏見が私生活に影響していることに気付かされた。」

「今回の哲学カフェの講話で、社会で必要とされている力と、それをどのように育てていくか、について理解が深まった。社会では、学校で習っているようなQuestion(質問)とAnswer(答え)が一対となることではなく、Problem(問題)とそれに対するSolution(解決)ということに重きが置かれている。これをできるようにする力を伸ばすため、哲学対話は自己の偏見に気付かせてくれ、物事の本質に近づくことができる。社会で生きていくためにも、この力を大切にしたい。」