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校長室便り
身近な風景 ~ヤマユリ
7月24日(土)、毎年この時期、里山に続く道路の斜面には「ヤマユリ」の花が咲いています。ちょうど見頃です。
ヤマユリは、本州に分布する「日本特産種」です。茎は高さ100~150cmにもなり、花は7月から8月に、数個から多いものは20個くらいつくものもあり、手のひらより大きな花の重さで倒れてしまうこともあります。また、球根は食用にされています。
ユリの名前の由来は、花が大きくて風に揺れやすいので「揺れる」からきた名であるとする説もあるそうです。
野生とは思えないほど華麗な姿で、山あいの目立たない場所でひっそりと、しかし、気高く咲いているユリの花は、昔から短歌や俳句などにも歌われています。
ちなみに、万葉集には、長歌1首、短歌9種が載っているそうです。
例えば、
「夏の野の繁みに咲ける姫百合の
知らえぬ恋は苦しきものそ」(1500)などは、美しい百合によせての恋歌です。
(口語訳)夏の野の茂みに咲いている姫百合が誰にも知られないように、相手に知られていない私の恋は、苦しく切ないものです。
俳句でもこんな句があります。
「百合の香や人待つ門の薄月夜」永井荷風
「山百合にねむれる馬や靄(もや)の中」飯田蛇笏
「山百合を捧げて泳ぎ来る子あり」富安風生
(以上、「四季花ごよみ 夏」講談社より、百合と日本人(西山松之助)、百合と俳句(飯田隆太)を参考にしました。)
大昔から同じ姿で、同じような場所で咲いてきたヤマユリ。「場違いな華麗さ」とともに「どこか懐かしさ」を感じてしまいます。日本人がヤマユリとともに歩んできた歴史が、心のどこかに刻まれているのかもしれません。
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