校長室便り

【高校】哲学対話(第2回)

12月4日(土)14時~15時40分、選択3教室で、阿見拓男先生(現、足女高講師)をファシリテーターとする今年度2回目の「哲学対話」が行われました。今回の「哲学対話」は、高校2年1組の藤原遼大君が、自身の課題研究「哲学対話で育てる生徒の思考力」の一環として、藤原君が阿見先生にお願いして実現しました。

哲学対話」は、物事を自分の言葉で深いところまで考えてみることを行います。自分の言葉とは、自分の体験に基づくものです。ディベートとは異なり、相手を論破したり、発言したことが否定されることはありません。本質は何かを探ることが目的です。

藤原君の呼びかけで、10名の生徒とその保護者1名、久保田先生、校長の13名が参加しました。

今日の「哲学対話」のテーマは、「学び」でした。
2つのグループに分かれ、まず、それぞれがどんな時に「学び」を感じたかを一人一人話しました。「哲学対話」では、他者の声を聞くことが大切で、そこから新しい視点が生まれます。




次に、そうした体験から、「学び」はどんな時に成立するのかを考えました。

答えが一つに決まっているわけでなく、発言が尊重されているので、自分の考えを安心して話すことが出来るのが、「哲学対話」のいいところです。
みんなの話を聞いているうちに、新しい視点が見えてきたり、考えが整理されてきたりします。対話を重ねるうちに、だんだんと「本質」に近づいてきているなと感じられるようになってきました。

ファシリテーターの阿見先生は、2つのグループでの「哲学対話」を同時に聞きながら、「学び」に対するそれぞれのアプローチの違いなどを踏まえながら、本質に近づくためのヒントや切り口を示してくれたりしました。時間はあっという間に過ぎていき、15時40分を回ったところで終わりにしました。

参加した生徒や保護者に感想を聞いてみました。

小山慧人君(2年1組)「普段の授業では学べないことでした。常に頭がフル回転していた気がします。とても新鮮でした。」

鳴瀬穂乃花さん(2年4組)「初めて本質に迫る対話が出来て良かったです。」

秋野仁美さん(2年2組)のお母さん「娘から哲学対話があることを聞き、どうしても参加したいと思い来てしまいました。このようなことができる学校って素晴らしいですね。」

藤原遼大君(2年1組)「学びの本質について深く考えることが出来ました。将来は学校の先生になり、そこで「哲学対話」を取り入れたいと思っています。次回は、自分がファシリテーターをやってみます。そして、佐高の図書館で「哲学カフェ」(その日にテーマを決めて話し合う)を開催したいです。」


*「哲学対話」は、勝ち負けはないし、論理的・批判的な思考とは少し違うような気がします。相手の話を聞くことに集中したり、自分の体験からくる「心の声」にも耳を傾けたりすることは、ありのままの自分を受け止め、自己肯定感を高めることにもつながるのではないかと思いました。藤原君、次の「哲学対話」でのファシリテーター頑張ってください。「哲学カフェ」も是非実現させてください。