校長室便り

【中3】県内初!「模擬国連プロジェクト」始動

9月29日(木)7限目、中学3年1組の「CTP」の授業(富永先生)を見学しました。中3のCTPでは、今年度から、後期の活動として「模擬国連(Model United Nations:MUN)プロジェクト」を行います(県内初の取組です)。そこで、最初の授業では、栃木県の県立高校で唯一、令和2年度、3年度と連続して、模擬国連の全国大会に選抜されて出場した高校3年生(4名)から、「模擬国連」とは何かディベートとどう違うのかその魅力等について、話してもらいました。

模擬国連(MUN)の4名のパイオニアたち

左上:横塚功樹君、右上:関根圭汰君、

左下:武藤玲矩君、右下:石塚凜花さん

4名の高校3年生は、特別講師として、中学生の授業に参加してくれました。

関根君と石塚さんは令和2年度の模擬国連(高1の時)、横塚君と武藤君は令和3年度の模擬国連(高2の時)に出場しています。いずれも、書類選考によって選抜されました。

令和2年度の模擬国連のテーマは「宇宙の平和利用」、令和3年度のテーマは「核軍縮」で、実際の国連のように、各国の代表に指定され、その国の代表として、議事に参加します。

ちなみに、「宇宙の平和利用」では、ルクセンブルクの代表、「核軍縮」では、キューバの代表として、参加しました。

横塚君からは、「模擬国連で大切にしていること」について、説明がありました。模擬国連では、まず、相手の国の価値観を知り、次に、自分の国の利害を考える。そして、それらをどう合わせて、相手と繋がることを考えます。

 

続いて、関根君からは、ディベートと模擬国連の違いについて、説明してくれました。

簡単に言うと、ディベートは二極対立で、両極端な意見のどちらが正しいかを論理的・批判的に判定します。これに対して、模擬国連は多様な意見の協調を重視し、納得できる解を求めます。

例えば、ディベートでは、「喫煙は害があるから禁止すべきである。是か非か」という論題で、両極端の意見を戦わせます。しかし、現実の世界では、そのどちらかではなく、喫煙ルームを設けるなどの落としどころを設けています。つまり、模擬国連は、現実の世界のように、多様な意見の中から、これなら両者が納得できる、という合意を形成する事を目的としています。ディベートは、論理的・批判的思考を鍛えるために役に立っていますが、模擬国連は、そうして身につけた力を活用して、多様な意見の中での合意「第3の方法」を見いだすことでもあります。

 

さらに、武藤君と石塚さんからは、模擬国連の楽しさや難しさなどについて、体験に基づいた話をしてくれました。

担当国のリサーチをすることで、世界の国のことを意識するようになったそうです。

なんだか難しそうな感じもしますが、今回の模擬国連プロジェクトのミッションは、

世界中の皆が幸せに食べられるSDGs弁当を提案し、採択をする」ことです。(模擬国連の定番メニューです)

生徒の皆さんは担当国の大使になりきり、「文化・国境を越えて、世界中の皆が幸せに食べられるSDGs弁当」を提案し、会議の場で採択されるように発信、交渉をします。まずは、担当国を決め、担当国についてリサーチを進めます。

 

なお、本プロジェクトについては、模擬国連を授業の中に取り入れている「大妻中学校・高等学校」(東京都)と連携し、アドバイスを受けながら進めていきます。このような本格的な取組は、県内ではまだ例がありません。

今後の授業については、随時、紹介します。