校長室便り

【中学】栃木県理科研究展覧会「最優秀賞」

2月3日(金)、栃木県総合教育センターで開催された「第76回栃木県理科研究展覧会」で、本校から佐野市の代表として出展した中学1年3組青木南似香さんと3年1組松葉紳一郎さんが、見事、最優秀賞となりました。おめでとうございます。

 

1年生の青木さんは「ぶどうの研究」で、3年生の松葉さんは「微生物の研究」です。二人の研究に共通するのは、今回がそれぞれ6年目の継続研究であることです。

 

青木さんは、小学校2年生の時から、ぶどうに関する研究を始めました。

小5、小6の研究も県の理科研究展覧会に出展しています。

おいしいぶどうを作り、家族に喜んでもらいたい、という気持ちから研究がスタートしたそうです。最初は庭先にぶどうを植えて、収穫できるようにすることから始まり、甘く形の良い巨峰を収穫することができました。

さらに、いろいろな品種を育ててみたいという夢が広がり、2年前から自分の理想の農園を作る「農園プロジェクト」を始動させました。家族の協力を得て、230坪の畑を借りてもらい、ブドウ園を作ってしまいました。青木さんのすごいところは、「農園プロジェクト」を家族で実行するにあたり、役割分担をしています。

青木さんは「責任者、計画立案、ぶどうの世話係」、お父さんは「重いものや機械の取扱い、危険な作業係」、お母さんは「農園までの送り迎えと草むしり係」、妹は「手伝い係

何もない畑から、家族で作り上げた「ぶどう農園」。業者には一切頼まず、材料を購入し、青木さんの夢を実現させるため、家族総出で完成させました。凄いです。

↓ 今年度、収穫できた「ぶどう」

今年度は、「甘く形の良い理想とするシャインマスカット」を作るための研究を行いました。

具体的には、植物成長調整剤の濃度による比較調査、ブドウの袋掛けをする際の素材の違いが果実品質に及ぼす影響、接ぎ木苗と挿し木苗の違いによる比較研究などで、年々、本格的、専門的になってきています。

研究からは、ぶどうへの愛が感じられました。

展覧会の審査員からも大絶賛で、「今後も期待しています」という評価をいただきました。

 

一方、中3の松葉さんの研究も本格的です。

小学校4年生の時に、庭に置いてあったバケツの水を顕微鏡で観察していて、「ヒルガタワムシ」を発見したのが研究の原点だそうです。

今年度の研究は、「6年間の研究の総括」を行うとともに、「ボルボックス」の研究に再チャレンジしました。

松葉さんの研究は、膨大なので、簡単に紹介することはできませんが、身近な水場に生息する微生物を定点観察したり、いつどんな場所で特定の微生物が増えているかなど、毎日の積み重ねが結実しました。

現在、松葉さんは、中学生ながら、宇都宮大学のiPUで活動しており、このほど「才能育成プラン」に昇格しました。これから、大学生や大学院生と一緒に、より専門的な研究に取り組む予定です。そこでも「ボルボックス」に関する研究を進めることを考えているそうです。

今年度の理科研究は「6年間の研究の総括」を行うことで、松葉さんの研究人生の次のステージに向けて、走り出す準備をしていることが伝わってきました。

高校でも頑張ってください。応援しています。