校長室便り

身近な風景 ~GW中に出合った動物たち

4月30日から5月7日まで、部活動やフィールドワーク中に出合った動物たちを紹介します。

雌のイノシシです。生まれたばかりのイノシシの子ども(うり坊)を見つけた飼い主が最初は家の中で飼っていましたが、大きくなってきたので野外の檻の中で飼っていました。この状態で10年以上経ってます。



突然、「野生のウサギ」が山の中から飛び出できて水路に落ちました。水路を5mくらい泳ぎ、土手をよじ登ろうとしています。土手が滑って登りにくく、何度かトライしてやっと登り切り、藪の中に消えていきました。そのおかげで、何とか一枚、写真にとることが出来ました。あっという間の出来事でしたが、ウサギの必死な形相が忘れられません。



渡良瀬川で溺れていた「モグラ」です。ボート部(佐野東高の先生)が救出したそうです。やはり、モグラは土の中で生活しているので、泳げないのですね。不運なモグラでしたが、助かって良かったです。


科学部の調査に同行しました。今年は、トウキョウサンショウウオの県内のすべての産卵地を調査しています。

この時期では、ほとんどの幼生は孵化(卵嚢から出て、周囲を泳いでいる)していました。途中で死んでしまうものも多いのですが、これらの卵嚢は孵化がうまくいっているようです。

孵化している幼生をよく見ると、頭の先に尻尾がでています。これは共食いをしている最中です。こうして、共食いをすることで、エサの少ない環境でも、どんどん大きくなっていきます。

これは、孵化した幼生を集めた写真です。こうしてみると、大きさにかなり差があることがわかります。大きな個体は、おそらく、共食いを重ねている個体です。

一見、共食いすることは、あまり望ましくないことのように感じるかもしれませんが、それは人間の価値観にもよるもので、他の生物に捕食されるより、同じ個体群のエサとなった方が、子孫を確実に残すのに効率的で、理にかなってます。

科学部の生徒は、いくつかのテーマで研究していますが、共食いは個体群にとってどのような影響や効果があるのかについても研究しています。


こちらは、「イモリ」の成体です。お腹が赤いのが特徴ですので、背中側からだと、わかりにくいかもしれません。


トウキョウサンショウウオの産卵地で見かけた「タゴガエル」の卵塊です。岩の裂け目などに産卵するので、卵塊を目にする機会はあまり多くはないはずです。白いのが特徴です。

上の卵塊の近くにいたカエルです。「タゴガエル」(アカガエルの仲間)である可能性があります。


別の場所でみつけたカエルです。こちらは「ニホンアカガエル」と思われます。


池の中では、アズマヒキガエルの幼生が泳いでいました。不思議なことに、蚊柱のように、幼生が一塊になっていました。

これは、アズマヒキガエルの幼生を拡大したものです。まだ、手足は生えていません。

*フィールドワークでは、こうした様々な生物に出会うことが出来ます。どんな場所に、どんな生物が、どのように生活しているかは、生物学、特に生態学の研究の出発点でもあります。研究のテーマは、現場で探すのが一番です。(そういえば、「事件は現場で起きている」なんて言葉もありましたね。)