校長室便り

【中3】数理探究の授業見学(茂木先生)

10月4日(月)6・7限目、中学3年3組の「数理探究」(理科分野)の授業(茂木先生)を見学しました。今日のテーマは「自分で豆腐をつくってみよう」です。茂木先生は高校の化学が専門ですので、化学の知識を活用して「なぜ豆腐が固まるか」という原理から考えます。



<豆腐の基礎知識>
・豆腐は、「豆乳」と「にがり」から作られます。
・豆乳の主成分は、たんぱく質ですが、豆乳の中のたんぱく質は、大きな粒子なので、コロイド溶液になっています。
・にがりは、塩化マグネシウムと呼ばれる電解質です。
・コロイド溶液は、電解質を加えると、コロイド粒子が沈殿します。これを、「塩析」といいます。
・塩析は、浄水場で細かい土や砂(コロイド粒子)を固まりにして取り除くときにも利用されています。




豆腐が固まる原理は、「豆乳(コロイド粒子)に電解質(ここでは、塩化マグネシウム=にがり)を加えることで、塩析(沈殿)させる」ことです、それを集めると自分の重さで固まり、豆腐ができます。

という原理が分かったところで、実際に豆腐を作ってみました。これが、各班の材料一式です。

大豆は水につけて柔らかくしてあります。まず、水を捨てます。


ミキサーで大豆を粉砕します。


ガーゼの上から、ビーカーに流し込みます。

下に溜まった液体が「豆乳」で、ガーゼに残ったものが「オカラ」です。


豆乳をバーナーで90℃になるまで熱します。これによって、豆乳の中のたんぱく質が熱で変性しコロイド粒子になります。90℃になったら、火をとめて、3分間静置します。

続いて、ビーカーを降ろし、ぬれぞうきんで85℃まで冷まします。コロイド粒子が落ち着いた状態になります。


いよいよ、ここで、にがり(塩化マグネシウム)を投入します。


コロイド粒子は、みるみる沈殿します。これも3分間静置します。


動画 → 豆乳に「にがり」投入

この沈殿物をガーゼをかぶせたビーカーに注いで、そのまま5分間静置します。
しばらくすると、沈殿物は、自身の重さで固まっていきます。
最後に、丸形水槽に水をはり、豆腐を水にさらして出来上がりです。

動画 → 沈殿物をガーゼに注ぐ













*どの班もうまくいったようです。ただし、今回の豆腐は実験としてつくったものですので、残念ながら、食べることはできませんでした。今日の夕飯で豆腐を食べたくなった人もいたのではないでしょうか。
*豆腐という身近な食べ物が、「化学反応」でできていたことに気付くとともに、化学そのものに興味を持ってくれることを期待します。