文字
背景
行間
【中3】数理探究「連分数の魅力」(宇都宮大学・鈴木先生)
9月12日(月)、3・4限目、中学3年1組の「数理探究」(数学分野)の授業を見学しました。今日は、宇都宮大学共同教育学部の鈴木拓先生を講師にお迎えし、「連分数の魅力 ~数当てゲームと近似のお話」というテーマで、数学の面白さを教えていただきました。なお、1・2限目は3年3組、5・6限目は3年2組で、同じ授業が実施されました。
授業は、まず、「連分数とは何か」から始まりました。
連分数とは、
・分数の分母に更に分数が現れるような式
・分子の数は全て1
これらを満たす分数です。
分子の数が分母より大きい分数を「過分数」といいますが、「過分数」は、下図のように簡単に「連分数」で表すことが出来ます。
実際に、いくつかの過分数を連分数に直してみました。できたら、周りの生徒同士で確かめました。
次は、「数当てゲーム」です。
例えば、X=3.6842105‥ という少数は、分数で表すとどんな数になるでしょう。これが「数当てゲーム」です。
「そんなこと当たりっこない」普通に考えれば、そう答えるでしょう。でも、「連分数」を使うと意外と簡単に出来るんです。ただし、電卓は使います。鈴木先生は、電卓の画面を示しながら、どのキーを押せばいいか、までわかりやすく丁寧に教えてくださいました。
実際に、いくつかの少数を分数で表しました。
合っているかどうか、生徒同士で確かめています。
もうだいぶわかってきました。だんだん楽しくなってきました。
次に、有理数と無理数を連分数で表すと、どのような違いがあるか、確かめました。無理数とは、√2のような数です。無理数は、連分数で表すと、無限に続き、終わりがありません。(これを無限連分数というそうです。)
2時間連続の授業の1時間目は、この辺りで終わりました。休み時間の後、後半へと続きました。
2時間目は「連分数による近似」です。
例えば、円周率(π=3.1415926‥)は無理数ですので、分数で表すことはできませんが、連分数を使うと、近似する数で表すことが出来ます。ちなみに、円周率の1次近似は π ≒3、2次近似は π ≒ 22/7 (→7分の22です)、3次近似は π ≒ 333 / 106 (→106分の333です)
同様に、√3(≒1.7320508‥)や√5(≒2.360679‥)などの近似を連分数を使って求めました。
さらに、連分数を使うと、「1太陽年」の近似を求めることが出来ます。
「1太陽年」とは、地球が太陽の周りをぐるっと1周するのにかかる日数です。1年365日と言われていますが、実際は365.2421895‥という数値です。つまり、1年を365日とすると、4年で約1日分増えてしまいます。そこで、4年に1回、うるう年がやってくるのですが、これでもずれが生じるので、「100年に1度、うるう年を例外で平年とする」、さらに「400年に1度、例外の例外で、平年としないでうるう年とする」というルールがあります。
これを「グレゴリオ暦」といい、多くの地域で採用されています。
また、「イラン暦」というのもあり、「128年に1回、例外で平年」としています。
実は、「イラン暦」の方がより正確で、1太陽年を連分数で表したときの5次近似である365+ 31/128 に基づいています。
*こんな風に、日常生活の中に、連分数の考え方が息づいていることを知り、鈴木先生の特別授業は終わりました。大満足で、とても楽しい授業でした。「数学って面白いな」と感じてくれた生徒がたくさんいたことを期待しています。
特にありません。