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【中学】「2022年 模擬国連 冬会議」初参加!

12月26日(月)・27日(火)の2日間、東京都千代田区にある「大妻女子大学」を会場として、「2022年 模擬国連 冬会議」が開催されました。全国の「模擬国連」常連校が、北は北海道、南は岐阜から、34校が集まりました。佐高附属中は、今年から中3のCTPで「模擬国連」を取り入れています。本大会への参加希望者を募ったところ、26名(中3:23名、中2:2名、高2:1名)が名乗りを上げ、初参加しました。

27日の大会2日目終了後の写真です。担当した国のプレートを持っています。

 

今回は、A議場とB議場が高校生を中心とした「一般議場」、C議場とD議場は中学生を中心とした「日本語議場」が開催されました。本校生はC議場とD議場に参加しました。

C議場、D議場それぞれ、これだけの人数が参加しました。ちなみに、全参加校のなかで公立校は本校だけで、他は、私立の名だたる中高一貫校の揃い踏みでした。本校生のチャレンジ精神が本物であることを感じました。

 

今回の模擬国連は、全ての議場で「食料安全保障」について合意を目指しました。

SDGsの二つ目のターゲットである「Zero Hunger(飢餓をゼロに)」の2030年までの達成を目指し、国連として何を為すべきかを各国の利害を反映させながら議論しました。

2人1組で、各国の国連大使として主張しました。ちなみに、本校生が担当した国は、エジプト、カナダ、インド、コンゴ、パナマ、ギリシャ、ジャマイカ、ナイジェリア、韓国、オランダ、南アフリカ、バングラデシュの12か国でした。

すべての国は、国連の会期中に必ず演説します。生徒たちは、事前に担当している国の状況についてリサーチし原稿を用意していました。C議場とD議場は、中学生を中心としたビギナー向けの「日本語議場」なので、演説は日本語で行いますが、高校生を中心としたA議場とB議場は「一般議場」で、英語で演説します(その他のやり取りは日本語ですのでご安心を)。

以下は、本校生の演説の様子です。

 

生徒たちは、それぞれの議場で、一つの決議案(DR)が採択されることを目指し、それぞれの国の立場から発言していきます。本校生も物怖じせず、質問や発言をしていました。

 

*私は2日目(27日)のみ見学しましたが、初日は緊張し、参加している他校生に気後れすることもあったそうですが、2日目は考えていることがちゃんと言えるようになってきました。それぞれの国の立場で、どうしたら世界に貢献することができるかを真剣に考え抜いた2日間でした。皆さん、よく頑張りました。初参加にもかかわらず、このメンバーの中でしっかり存在感を示せたのはさすがです。立派でした。

2日目の帰りのバスの中での表情に、成長の跡を感じました。

今回は中3が中心でしたが、来年度、高校に進学すると「全日本高校模擬国連大会」などに参加することが出来ます(中学の全国大会はありません)。現在の高校3年生4名は、高1と高2の時に、独学で、しかもぶっつけ本番で、模擬国連の全国大会に出場した「チャレンジャー」 です。皆さんも、是非、高校でも挑戦してください。

 

<参加者の感想>

島田琉睦君(インド大使)

正直言ってしまうと、PPP( 注 Position & Policy Paper:各国の政策 )を作る段階で模擬国連の難しさに、エントリーしたことを後悔してました。会議のシュミレーションを見てても、全く意味が分からなくて、単語の意味を調べても具体的な説明がなくかなり苦戦してました。ただ、習うより慣れろということわざは、本当だなと実感しました。なぜなら、会議が進んでいくうちに、紙だけみても分からなかったことを理解し、次はどうすべきなのかということが考えられるようになってきたからです。やっていくうちにどんどん模擬国連が楽しくなっていき、会議前の自分が嘘のようでした。また、他校の方と交流できるという貴重な経験と模擬国連を通して、より成長できたなと思います。また機会があれば絶対参加したいです!

 

浅田優君(ナイジェリア大使)

興味本位で模擬国連に参加を決めたのですが、初参加なのでPPPの作成で手こずったり、知らないことばかりで困惑しました。ですが2日間の会議で、ナイジェリア大使として国益・国際益を守りながら食料安全保障について様々な国の大使たちと考えを深めあい、決議案を固めることが出来ました。とても収穫の多い機会となりました。もし次回も機会があれば、是非とも参加し、今回よりも更に積極的に活動したいです。

 

中2で参加した2人からもコメントをもらいました。

小泉凛央さん(エジプト大使)

事前の準備で資料を調べたりPPPを作るのがすごく大変で難航しました。どうなるんだーー?と不安で仕方なかったし、案の定始まってからもやりながら流れを掴んだり、自分の主張をわかりやすくできなかったりと悔しい場面も多かったです。それでも最後は楽しかったですし色々な人との交流ができてよかったです!また機会があればぜひ!参加したいです。

 

池田清子さん(エジプト大使)        

事前準備がとにかく大変で、わからない用語も多く、完全に理解できていない状態で参加する形になってしまいました。始まっても、他の国の大使の方の勢いに負けてしまい、思うように発言することができませんでした。しかし、時間を重ねていく中で様々な国の大使の方と話すことができ、徐々に発言することができるようになりました!最終的には本当に楽しく、色々な大使の方とお話もすることができてとても良い経験となりました。またぜひ参加したいです!

 

以上の4名だけでなく、2日目の帰りのバスの中で、今回参加した感想を全員がスピーチしてくれました。

(以下は、バスで引率された富永先生から聞いた話です。)

「何人もの生徒が上記の島田君のように、最初はエントリーしたことを激しく後悔していました。しかし、それを乗り越えた先に見えた景色が、想像以上に素晴らしかったことや、一人だけでやるのではなく、(原則)ペアでやることがチームワークや絆を育み、徐々に挑戦すること自体のワクワク感を感じることが出来たと思います。結果として、ほとんどの生徒の口から、またやってみたい、という言葉が出てきました。」

 

*今回、私自身も初めて「模擬国連」を見て、ここまで生徒たちだけでやれるのかと驚きました。そして、今回の初参加には3つの大きな価値があったと感じました。(このことは、大会終了後のミーティングで生徒たちに話しました。)

1つ目は、まず、この大会に参加しようと多くの生徒が手を上げてくれたこと。

2つ目は、最初は後悔しなからも、徐々に自分の意見を主張することができるようになり、楽しめたこと。

3つ目は、最後には、他校の参加者とも仲良くなり、学校を超えた仲間がいることを知ったこと。

 

1つ目と2つ目は、まさに一人一人が、本気でチャレンジし、自分の殻を破れたこと、3つ目は、世の中には凄い人がたくさんいること(ライバルではなく、仲間として)、そして、今自分たちが生活している世界だけがすべてではないことを実感できたことだと思います。

「模擬国連」はそのようなことを生徒に体験させてくれる優れたコンテンツであることもわかりました。もちろん、全員が模擬国連の大会への出場を目指す必要は全くありませんが、本校がそれにチャレンジできる学校であり続けることは、とても重要であると思います。生徒がチャレンジできる場の一つとして、育てていきたいと思っています。