日光彫
日光彫と鎌倉彫(かまくらぼり)の違い

1192年、源頼朝(みなもとのよりとも)が鎌倉に幕府を開き、その後、北條(ほうじょう)氏が実権を握った鎌倉時代(かまくらじだい)。

鎌倉には鎌倉五山(かまくらござん)といわれる建長寺(けんちょうじ)、円覚寺(えんがくじ)、寿福寺(じゅふくじ)など多くの禅宗寺院(ぜんしゅうじいん)が建立(こんりゅう)されました。

社寺建設が盛んになると仏像や仏具製作も増え、その影響を受けてできたのが鎌倉彫です。

日光彫と鎌倉彫の大きな違いは、日光彫が最初から板目を彫って育てた純粋な板目彫りなのに対し、鎌倉彫はもともとは仏像などの立体彫りで、やがて板物彫りに変わってきたという点です。

日光彫の特徴

・線彫り、浮かし彫りなどの合わせ彫り

・日光彫独特のひっかき刀を使用する

・手前に引いて彫るので彫り口が男性的

鎌倉彫の特徴

・すべて浮かし彫り

・浅丸突刀(あさまるつきとう)を使用する

・前に押しながら彫るので彫り口が女性的