プログラミング教育先進校(宮城教育大学附属小学校)視察
情報教育支援チームの指導主事2名が、調査研究の一環で9月12日(金)に、宮城教育大学附属小学校を視察しました。同校は文部科学省研究開発学校として、実践的・体験的な活動を通して情報活用能力を育む目的で「小学校情報科」を設定し、学びの充実を図るための教育課程の開発に取り組んでいます。
〔校舎内見学〕
1・2年生はiPadを、3~6年生はChromebookを活用していました。
「パソコン室」にあたる「クリエイティブ・ラボ」では、3Dプリンタ4台が常時稼働し、児童が制作した作品を出力していました。そのほか、レーザー加工機、toio、Tello、Sphero BOLT、アーテックロボ、micro:bitなど、多様な機器が整備されており、多様な学びを体験できる非常に充実した環境でした。また、各教室での児童によるICT活用の様子も見学しました。特に、上級生のタイピングやスライド作成の速さに驚くとともに、1年生から積み重ねてきた取組の成果がここに表れていると感じました。
〔授業見学〕
4時間目は1年生の「情報科」の授業で「ドクターイエローの絵をコンピュータで描こう」という内容で進められていました。単に絵を描いて終わるのではなく、紙で描いたときとの違いに気付いた点をアプリを用いてまとめており、コンピュータの特性について考察することができていました。コンピュータの特性を題材に議論できる点は、情報科ならではだと感じました。また、参観していたすべての先生もタブレット端末とタッチペンを使用しており、紙と鉛筆をもつ教員が見当たらなかったことも印象的でした。
5時間目は2年生の「情報科」の授業で、toioを活用した「森の道を安全に探検するにはどのようなプログラムがよいか」という学習でした。児童は動作をどのように組み合わせれば目的の動きが実現できるかを試行錯誤しながら表現していました。特に、反復の考え方を活用することで命令を簡略化できることに気付いており、プログラミング的思考の育成につながっていました。
〔感想〕
授業見学後には、小学校「情報科」の特色や課題、これまでの取組に関する貴重なお話を伺うことができました。プログラミング教育について、本県も一層の実践を進めるためには、「まずカリキュラム・マネジメントが重要である」との助言をいただきました。今後、私たちも昨年度の取組を基盤としつつ、研究協力委員所属校での授業実践を進めていきたいと考えています。
プログラミング教育に限らず多くの面で大変参考となる視察でした。宮城教育大学附属小学校の先生方に、心より感謝申し上げます。