令和6(2024)年度 高等学校における教科指導充実に関する調査研究 『授業実践』外国語科(英語)・数学科・芸術科(音楽)・国語科

 研究協力委員の先生方による「教科における探究的な学習」の授業実践を取材させていただきました。今回は、外国語科(英語)、数学科、芸術科(音楽)、国語科の授業の様子について報告します。

 

「外国語科 英語(「英語コミュニケーションⅠ」)」

 自然活動家に関する英文を読んで、「自然保護活動を提案、発表する」ということをテーマにした探究的な学習を行いました。本時は、グループごとに作成した自然保護活動の提案書を校正する活動でした。他グループに提案書を読んでもらい、Q&Aセッションを通して、自グループの提案書に不足している情報や修正点をみつけ、グループで話し合って改善をしました。読み手の視点を得ることで、生徒たちは提案する自然保護活動を的確に伝えるための語彙を選定したり、必要性を訴える表現や文章構成を考え直したりするなど、試行錯誤を繰り返す探究的に学ぶ姿が見られました。

「数学科(「数学C」)」

 単元「ベクトルと平面図形」において、探究的な学習に取り組みました。前時までに、三角形の内部や外部にある点の位置を説明しあう活動を、これまでの学習内容と関連付けて行いました。本時では、三角形の重心や内心、外心の位置をベクトルで表す方法を見いだす活動を協働的に行いました。授業中はもちろんのこと、授業後の休み時間になっても熱心に議論が継続したり、粘り強く考え続けていたりする生徒が多数見られるなど、充実した授業実践となりました。

「芸術科 音楽(「音楽Ⅰ」)」

 題材「学校CMソングをつくろう」において、創作分野での探究的な学習を行いました。本時は、自分で作成した学校CMソングを既存のCMソングと比較したり、映像に合わせて学校CMソングを流し、生徒同士で相互評価を行ったりして、自分の作品を客観的に分析し、改善点やその方法を考えるという学習活動でした。生徒たちは、事前に示されたルーブリックやガイダンスプリントを見直したり、活発に意見を交換したりして、学び深め、主体的、協働的に学校CMソングの完成を目指していました。

 

「国語科(「文学精読」)」

 夏目漱石著の「こころ」を読んで、「文学作品の価値を問い直す」をテーマとした探究的な学習を行いました。本時は、「こころ」が名作だと考える生徒と、名作ではないと考える生徒によるパネルディスカッションを行い、考えを深め合う活動を行いました。パネリスト以外の生徒たちは、異なる意見を尊重しつつ、オンラインディスカッションツールを活用してリアルタイムで意見を共有するなど、建設的な議論が展開され、意欲的に授業に取り組んでいました。

 

 今年度の「教科指導充実に関する調査研究」における授業実践は以上となります。研究協力委員の先生方、当該高等学校の校長先生及び職員の皆様、ご協力ありがとうございました。

 なお、このことに関しては、令和7年1月24日(金)・25日(土)に行われる「栃木県教育研究発表大会」の「教科における探究部会(高)」においても取り上げます。多くの皆様の御参加をお待ちしております。

 詳細は当センターのWebサイトを参照していただき、専用ページよりお申し込みください。