下野国庁跡
下野国庁からはどのような物が発見されたか

(1)「硯(すずり)」


国庁での役人の仕事は、主に墨で文字を書くことがたいへん多かったです。

そのため、多くの硯が発見されています。

当時の硯は、現在のような形ではなく丸い形をしていました。


(2)「木簡(もっかん)」


木簡

当時、紙の文書とともに、木の堅いという特性を生かして木の札をつくり、そこに文字を書き記して記録しました。

これは、表面を刃物で削って何度も使うことができました。
この札を「木簡」といいます。

普通は、何百年も前の木製品は土の中で腐ってしまうのですが、下野国庁の場合は空気に触れずに密閉された状態で土の中にありましたので、運良く腐らずに残っていました。

これまでに見つかった木簡の数はおよそ5000点で、当時の役人たちの仕事内容などを知る上で、全国的にも貴重な資料となっています。


(3)「漆紙文書(うるしがみもんじょ)」


漆紙文書


漆紙文書

当時の紙は、漆を使う作業の容器の一部として使われていました。

漆が付着したために腐らずに、残っていた紙を漆紙文書と言います。

木簡と同じように、役人たちの仕事内容が分かる、とても貴重な資料です。

下野国庁からは約100点が見つかっています。


(4)「墨書土器(ぼくしょどき)」


墨書土器


墨書土器

器の表面に、墨で文字が書かれた物です。

それを使っていた人の役職や、保管されていた建物の名前などが分かる資料です。