日誌

「本を読むのをやめなさい」(梅田真由美先生)



 「本を読むのをやめなさい。」

昔、私が最もよく言われた小言であり、現在自分が言うNO1の小言である。根っからのインドアであり、動くのが嫌いであった私は幼少時から本ばかり読んでいた。(比率的には漫画が多かったが。)昔の田舎であるから、周囲の大人達には多少おかしな子供にうつっていたのかもしれない。


 当時の私はこう思っていた。


 「返事しないって怒られるけど、本読んでいると聞こえないんだもん。無視してるわけじゃないもん。」


 今、大人になってわかる。そこまで没頭して読書ができるのは最高に贅沢な時間であったと。成長し、やらなければならないもの、守らなければならないもの、多くのものが絡みついてくると、そうした時間は得られない。また、世の中には最初からそんな余裕がない境遇もあるという悲しい現実も、この年齢ならわかるようになってくる。しかし、没頭して本の世界に浸ることは、辛い現実から逃れるためにも、多くの知識を得るためにも、未来を考えるためにもあらゆる面で必要不可欠な栄養であると思う。


 現在、私達は自宅にいることを余儀なくされている。この機会に贅沢な読書の時間を経験してみてはどうだろう。現実逃避かもしれないが、違う世界に思考を飛ばすことは気晴らしにはなるのではないだろうか。

ただし、身内の迷惑も考え、返事、家事手伝いも忘れないでほしいけれど。