周辺の歴史 その4

4 古代の役所跡-上神主・ 茂原官衙遺跡その1-
 
○上三川町上神主(かみこうぬし)と宇都宮市茂原(もばら)にまたがる河内郡衙(ぐんが、郡の役所)跡とみられるのが、上神主・茂原官衙(かんが)遺跡です。


○平成7~14年(1995~2002)にかけて上三川町教委と宇都宮市教委が行った調査の結果、瓦ぶき屋根1棟、掘立(ほったて)柱建物跡53棟、掘立柱塀(へい)跡2基、溝跡8条、道路跡などが確認されました。


○役所の規模は、東西約250m、南北約400mと推定され、西側に大きな門があった他、南東部にも出入口があったようです。


○遺構内部は北側の建物群、中央部の政庁域、南側の正倉域の3つにわかれ、南東部に接する形で東山道(とうさんどう)とみられる古代の幹線道路が通っていました。


○役所は8世紀前半を最盛期として、7世紀後半から9世紀前半まで存在していたとみられ、 この間、建物の変化から4つの段階にわけられます。


○これだけ郡役所の全体像がわかる遺跡は全国的にも少なく、また次回紹介するような人名を刻んだ瓦が多数出土していることもあり、平成15年(2003)国の史跡に指定されました。