校長室から

令和3年度の終わりに

 3月24日(木)に修業式が無事終了し、令和3年度の授業日が全て終了しました。さかのぼって3月4日(金)には卒業式を挙行し、本校の第4期生76名を送り出すことができました。本年度一年間、本校生徒並びに本校運営に対しまして、深いご理解と多大なるご協力をいただきました関係各位に心より感謝申し上げます。

 本校は知的障害のある生徒の職業的自立を目指し、職業科の学習を通して、卒業時点での就職を目指しています。今年度も卒業生の9割以上が企業・事業所等からの内定をいただき、4月から職業人として新たなスタートを切ることになっています。そんな卒業生に対して、本校の生徒として最後の日となる卒業式に、「社会人として、信頼される人になってほしい。そのために自分の人柄・人間性を磨いてほしい」と話しました。「信頼感」とは、その人のもつ知識や技能といった「能力」よりも、「人」としての「人柄・人間性」に対する共感から生まれてくることの方が圧倒的に多いと思うからです。全ての人が共に生きる「共生社会」の実現のためになくてはならないもの・・・お互いに「信頼感」をもてる関わりを大切にして、これからの人生を歩んでほしいと思います。

 また、そうした先輩達を見習って自分自身の卒業後の自立を目指す1・2年生の修業式では、「お世話になります。」「おかげさまで・・・」と「お互い様」というキーワードを示して、周囲の人々への「感謝」と「思いやり」の気持ちの大切さについて話しました。「『おかげさまで・・・ありがとうございます』『お互い様』という言葉が自然に言える人になってほしい」と・・・。

 前述のように、本校は「職業科」の学校です。働くために必要な「知識」「技能・技術」そして「態度」を身に付けることは必要不可欠です。ですがそれを支える土台とも言える、周囲の人から信頼されるような「人柄・人間性」の育成こそが、「知識」「技能・技術」「態度」を本当の意味で活かすためになくてはならないもの、本校の教育において最も重視すべきものだと考えています。周囲の人と共に生き、働ける「人」の育成を目指して、次年度も取り組んでいきたいと思いますので、保護者をはじめ関係の皆様のご理解とご協力を引き続きよろしくお願いいたします。
校長  粂川 剛士