校長室から

【令和4年度 学校経営計画②】「教育目標」・「校訓」について

令和4年度の学校経営計画に掲げている本校の「教育目標・校訓」について、お話ししたいと思います。

本校の教育目標を以下のように読み解くと、その主旨がわかりやすくなると思います。

 

 「職業的な自立を目指した教育により」

職業科の専門的な「知識」「技能」及び「態度」に関する学習(指導)を通して。

 「働き続けるために必要な力を培うとともに」

「就職」+「定着(離職せず継続)・成長」できる力(知識・技能を、自ら学び続けられる・人から教えてもらえる態度)を身に付けられるようにする。

 「豊かな人間性を育み」

「人」として望ましいものの見方・考え方・行動の仕方=「人柄・人間性」を育てる。

 「社会に貢献できる人材を育成する」

「働くことの意義」を「社会への貢献」と意識・実感できるようにすること。

 

 「働ける力」とは、「(仕事に必要な・専門的な)知識・技能(技術)」と「(仕事に向き合う)態度」と一般的に表現されますが、「(知識・技能により)仕事ができること」と「仕事に真面目に取り組める…などの望ましい態度」をバランス良く兼ね備えることが大切です。

「知識・技能(技術)」を身に付ける…自ら学んだり、人から教えてもらったりする…ための原動力は「意欲」です。そこには「自分はまだまだ学ばなくては…」といった現状に甘んじない姿勢や、周囲の人々からの教えや指摘を素直に受け止められる「謙虚」さが不可欠です。また、周りの人々に「教えてあげよう」と思ってもらえるような「協調的・共感的な人柄」も大切です。さらに、「働ける力」には、今できること・身に付けていることを発揮できるだけでなく、職場環境に適応し、その力を成長させながら継続的に発揮できる、すなわち「働き続けられる」という視点が重要であると考えます。

こう考えてみると「職業生活」という全体的な視野で見た場合、「働き続けられる人」になるためには、「仕事ができる(できることを増やす)こと」と、それを支える土台として、仕事に向かう「意欲的な態度」や関係する人々との「よりよい人間関係づくり(謙虚さや協調性)」と、それらの積み重ねによって得られる「信頼感・信頼関係」など、「人」としての「共感的な人柄・豊かな人間性」がより大きく影響してくると考えることができます。

また、企業や事業所、団体等には「存在目的・意義」があり、それを果たすことで社会に貢献しています。働く人々は、自分が担当する目の前の業務を確実に遂行することで、その企業等の「存在目的・意義を果たす」ことに関わり、貢献しています。職場における自らの役割と責任を果たすことを通して「自分も社会に貢献している」という自覚と自負をもてるようなることは、「職業的自立」にはとても重要な意識であり、同時に、「自己有用感」や「働き続けるための意欲」を高めることにもつながっていきます。

生徒の職業的自立を目指す本校では、こうした考え方を踏まえて、「教育目標」において「働き続けるために必要な力」と表現し、併せて「豊かな人間性の育成」を掲げています。

 そして、生徒達が、自らの成長のための指針として意識できるように、校訓として「礼節 誠実 協力」を掲げています。それぞれの言葉の内容についての考え方は以下のとおりです。

 
礼節」「節度ある礼儀」として、形だけの礼儀や挨拶ではなく、相手を敬い、「思いやりの心」を伴った礼儀であること。
「誠実」…常に自分を見つめ直し、人の話を聞ける「謙虚さ」をもち、真面目に粘り強く取り組む心をもてること。
「協力」…相手と自分というお互いを「認め合い」、力を合わせる心(共感・協調)をもてること。

 本校では、「働き続けられる『人』」を育てること…を大切にしていきたいと考えています。