【校長ブログ】時間とは命―夏休みに寄せて
生徒諸君へ
長い夏休みが始まりました。蝉の声が響き渡るこの季節、皆さんはどのような思いで日々を過ごしているでしょうか。
今日は、終業式でもお話した「時間」という尊い概念について、静かに思いを巡らせてみましょう。
聖路加国際病院の名誉院長であった日野原重明先生は、生涯を通じて命の尊厳を説き続けた方でした。彼は、10歳の子どもたちに向けて「いのちの授業」を行い、その中でこう語りかけています。
「いのちとは、あなたが使える時間のことです。」
この言葉には、深い哲学と温かなまなざしが込められています。すなわち、時間を大切にすることは、命そのものを慈しむことにほかならないのです。
皆さんには今、自由に使える時間が豊かに与えられています。だからこそ、「自分の命とも言える時間を、どのように使うか」を真摯に考えてほしいのです。
「自分の時間を何に使いたいか」ではなく、「この夏、自分の時間を何に使うべきか」を優先して考え、行動してほしい――それが私たちの願いです。
勉強に励むことも、家族との時間を大切にすることも、友人との絆を深めることも、すべてが命の使い方です。どうか、自律した学びと生活を実践し、心豊かな夏を過ごしてください。
「いのちとは、あなたが使える時間のことです。」
この言葉を胸に刻み、日々の時間の使い方を見つめ直し、皆さんの歩みに活かしていってください。
皆さんの成長を、心から楽しみにしています。
校長 佐山 利晴