校長自ら更新!!

【校長ブログ】学びの妙味は「復習」にあり

皆さんに、学びがより深く、より面白くなる秘訣をお伝えしましょう。それは、何よりも「復習すること」です。

十九世紀のドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスは、人間の記憶の移ろいやすさを科学的に明らかにしました。彼の提唱した「忘却曲線」によれば、人は学んだことの七四%を一日後には忘れ、さらに一週間後には七七%、一か月後には実に七九%を忘れてしまうといいます。この数字が示すのは、記憶とはまるで朝露のように儚く、放っておけばたちまち消えてしまうという厳然たる事実です。

しかし、ここにこそ希望があります。忘却の流れに抗う術、それが「復習」なのです。学んだことを、できるだけ間を置かずに振り返ることで、記憶はしっかりと根を張り、やがて揺るぎない知識となっていきます。特に苦手と感じる分野ほど、早めに、そして繰り返し向き合うことが肝要です。後回しにすればするほど、記憶の糸は細くなり、再び手繰り寄せるには多くの時間と労力を要することになるでしょう。

学びとは、ただ知識を得ることではなく、自らの中にそれを根づかせ、育てていく営みです。日々の小さな復習の積み重ねが、やがて大きな自信と喜びへとつながっていくのです。

さあ、今日の学びを、明日の自分に手渡すために。今一度、ノートを開いてみましょう。