【校長ブログ】日本の伝統音楽に触れるひととき
本校では、音楽の授業において日本の伝統楽器である箏と三味線を用い、『さくら変奏曲』の演奏に取り組んでいます。写真は、その練習風景を捉えたものです。
箏の繊細な響き、三味線の力強くも哀愁を帯びた音色が重なり合い、教室には春の情景が広がるような美しい旋律が流れます。生徒たちは初めて触れる和楽器に戸惑いながらも、真剣な眼差しで音を紡ぎ、互いに耳を澄ませながら調和を探っています。
日本の伝統音楽を継承していくことは、決して容易なことではありません。時代の流れの中で、和楽器に触れる機会は少なくなりつつあります。しかし、こうして若い世代がその音色に心を寄せ、演奏を通して日本の文化に触れる姿を見ると、未来への希望を感じずにはいられません。
私たちが守り伝えていくべきものは、単なる技術や形式ではなく、その音に込められた心、そして四季折々の情景や人々の想いです。箏と三味線が奏でる『さくら変奏曲』は、まさにその象徴であり、春の儚さと美しさを音楽として表現するものです。
この授業を通して、生徒たちが日本の伝統文化の奥深さに触れ、やがてそれを次の世代へと受け継いでいってくれることを、心から願っています。