校長室便り

校長室へのお客さん

今日の放課後、中学1年生の松葉紳一郎君が、家の近くの水田で見つけた「ボルボックス」をペットボトルに入れて持ってきてくれました。



「ボルボックス」と言えば、理科の教科書にはたいてい載っている有名な微生物の一種ですね。しかし、野生の状態で実物を見つけることは、専門家でも難しいとされています。「ボルボックス」は直径1ミリ以下の球形ですので、これが「ボルボックス」ですと言われなければ、普通はわからないと思います。ましてや、水田からすくった水をみただけで、「ボルボックスがいる!」とピンとくるなんて、松葉君はただ者ではないなと直感的に思いました。

水田ですくった水の中にいた「ボルボックス」(中央に丸いつぶつぶが2つある)を発見!


話を聞いてみると、松葉君は、小学4年生から「微生物の観察」を続けており、小5と小6では、栃木県の理科研究展覧会の中央展覧会で、2年連続で最優秀賞を受賞しています。
そうです。彼は「微生物の研究者」だったのです。
大事にしている「微生物図鑑」に載っている「ボルボックス」をいつか見つけたいと3年間、思い続け、たまたますくった水に「ボルボックス」がいることを見逃さなかったのです。
「やっと見つけた!」
これは研究している者だけが発することができる言葉だと思います。

せっかくなので、生物室で顕微鏡を使って、観察することにしました。
佐野高校の高性能デジタル顕微鏡で見ると、球体の周囲の繊毛まで観察できました。



今後は、「ボルボックス」が生息している環境や、走光性(光に集まる性質)について調べてみたい、と希望を話してくれました。
佐野高校・同附属中は、研究する環境が整っていますので、是非、挑戦してほしいです。また、新たな発見があったら、報告に来てください。

*他にも、興味を持っていることや、何か発見?したことがあったら、誰でも校長室に来てください。楽しみにしています。