校長室だより

本校53回生の作家佐江衆一先生の講演を拝聴させていただきました!

 去る9月9日(土)に行われた、宇都宮大学峰キャンパス内にある放送大学栃木学習センターが主催する講演会「私にとっての栃木県と田中正造」を聴いてきました。本校からは小林教頭先生と社会/史学部の2年生4名も参加しました。講師の佐江衆一先生は、本名を柿沼利招といい、お生まれは東京ですが、終戦を栃木県の母親の実家で迎え、1952年に栃高を卒業された、本校の53回生です。作家になられてからは、純文学、時代小説、ノンフィクション、エッセイと幅広い著作を数多く執筆されています。1995年には老親介護の体験を描いた「黄落」がベストセラーになり、第5回ドゥマゴ文学賞を受賞されました。また、5回芥川賞の候補にもなられました。佐江先生は、「公害の原点」であり「聖地」としての旧谷中村跡地の渡良瀬遊水池が「野鳥の楽園」とか「気球レジャー」で知られるようになり、特に若い人からは足尾鉱毒事件や田中正造の功績のことが忘れ去られていることを嘆いておられました。講演終了後に催された本校の社会/史学部の2年生4名との懇談会の中で、若いみんなから足尾鉱毒事件や田中正造の功績を語り継いでほしいということ、栃中・栃高で6年間を過ごした様々なエピソードのこと、自分が高校の国語の先生の影響を受けて作家を志したこと、栃高生から作家になる人が出てきてほしいこと、夢を持って自分の進路を切り開いてほしいことなどを生徒たちへの質問も交えながら熱く語っていただき、懇談に参加した生徒たちも感動していました。私個人としては、初任校が足尾高で、足尾高に15年間勤務しましたので、今回の佐江先生の講演は本当に興味深く聴かせていただきました。佐江先生大変ありがとうございました。