寄宿舎

 

 遠距離のため毎日の通学が困難な児童生徒や、将来の自立に向けて生活能力の向上を目指す児童生徒は、寄宿舎を利用することができます。日課に沿った集団生活を通して、よりよい生活習慣や自立に向けた生活能力、豊かな心と社会性の育成を目指しています。

 舎室は、相部屋(2~3人で一緒に生活します)と個室があります。個室は、集中して学習に取り組める環境となっています。

 

 

  《指導上の努力点》
1.よりよい生活習慣を育みます。

 ○身辺処理能力(食事・排せつ・衣服の着脱・入浴等)の向上を図ります。
 ○適度な運動等を通して健康の保持・増進や、自己管理意識の向上を図ります。

2.自立に向けた生活能力を育みます。

 ○生活経験拡大外出・ADL生活実践指導・歩行指導等を通して、生活技術の向上を図ります。
 ○学習環境を整備し、自主学習の習慣化を図ります。

3.豊かな心と社会性を育みます。

 ○当番活動やクラブ活動を通して協働の精神を培います。
 ○集団生活を通して、舎生相互の親睦図り、思いやりの気持ちや協調性を養います。

寄宿舎の特色ある取り組み

〈当番活動〉
 中学生以上の寄宿舎生は、当番活動を行います。朝、起床を促す放送をする「MMD(*1)当番」や、食事の前に食堂のテーブルを拭く「テーブル拭き当番」、浴室の清掃を行う「浴室清掃当番」があり、一人一人が主体的に活動しています。

(*1 MMD=Morning Music Duty、朝に放送をかける任務)

  

〈防災・防犯学習〉
 地震や火災・不審者の侵入などいろいろな状況を想定した訓練を行っています。火災の避難訓練では、消防署員の協力を得て、避難の様子を見ていただき、緊急時こそ、落ち着いて、先生の指示を聞いて行動することの大切さについて話をしていただいてます。また、不審者対応避難訓練では、スクールサポーターの協力を得て、避難の様子を見ていただき、いざというときの対応の仕方を学んでいます。

  

〈食育講話〉
 学校栄養士を講師に、年2回「食育講話」を実施しています。栄養について(三大栄養素と五大栄養素)、よく噛んで食べることの大切さについて、食事のマナーについて、健康な身体を作るための食事についてなど、様々なテーマについて学習しています。“触って学べる教材”を用いながら、会話形式で講話を進めることで、寄宿舎生は真剣に話を聞き、その日の夕食から、食育講話の内容を意識した会話や行動が見られるなど、一人一人の生活に生かされている様子がうかがえます。

  

〈生活経験拡大外出〉
 年に数回、スクールバスやデマンドタクシー(地域交通)などを利用して市街地に出掛けています。公共施設を利用したり、買い物や食事をしたりすることで、店員とのコミュニケーションや金銭の扱い方について学習しています。

 

〈歩行指導〉
 下校後の時間を活用し、希望する寄宿舎生を対象に、歩行指導を行っています。
 校内においては、手引き歩行の学習や白杖の持ち方・構え方・振り方などの学習を行います。校外で行う場合は、スクールバスやデマンドタクシー(地域交通)を利用して、駅の利用方法や援助依頼の仕方を学びます。市街地においては、交差点の発見の仕方や横断の仕方などを学びます。
 指導においては、歩行訓練士の資格をもつ教職員と連携しながら進めています。

  

〈ADL生活実践指導〉
 栃木県内の寄宿舎で本校のみに設置されているADL(*2)室を利用し、卒業後の一人暮らしを目指した「ADL生活実践指導」を行っています。主に社会参加を目前に控えた高等部生が、家庭での生活の場に近い環境の中で、日課を計画し、時間を意識した生活を送ります。食事や入浴、洗濯などを一人で行いながら、必要な日常生活スキルの向上を目指します。希望があれば中学部の生徒には、調理学習を中心とした内容で「ADL生活実践指導」を行っています。

(*2 ADL=Actvities of Daily Living、日常生活動作)