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海の音

海の音_林香君作 創立記念講演会で『しなやかな感性を持て! たくましい根っこを張れ!』と題して講演をしてくださった、陶芸家で、文星芸術大学教授の林香君(はやし・かく)先生が、真女高に作品をご自分でお持ちになって、寄贈してくださいました。
 『海の音ー環・還』と題するこの作品は、ややアイボリーがかった白地の陶製で、波紋のようにも見える紋様が刻まれています。中央にはスロヴェニア製のガラスの球が飾られています。
 このガラスはスロヴェニアで知り合ったピカさんというガラス工芸家が、林先生のデッサンに惹かれて作品の提供を申し出たものだそうです。写真ではよく分からないかも知れませんが、ガラスに封じ込められた雲母が光の加減によって金色に煌めきます。
 そのような出会いを秘めつつ、この作品は、まずは海をめぐる生物の環、つまり輪廻を示しています。また、個人の命は滅びても、また他の生き物を育む素地となって蘇るように、命のめぐりへの思いをこめたということです。特に、やがて生命を宿し、育む女性達が学ぶ女子高に贈るにふさわしい作品として、命への思いを込めた、この『海の音』を選んでくださったということです。そして、作品は我が子のようなものだと言われ、
「この子がどんな出会いを持ち、どう成長していくのかが楽しみです。」
とおっしゃいました。作品は人間に所有されているようでいて、実は作品が持ち主を選ぶとのことです。この作品は真女高生達と良き出会いをして、真女高の発展と悠久の命のシンボルとなることでしょう。