校内散歩

校内散歩30 「秋の欅」

校内散歩30「秋の欅」 真女高の秋は金色である。
 校庭の三本の大欅が広げた?の天蓋が、端から少しずつ黄色みを帯び、ふと気づくと金色に輝いている。と思う間もなく、天蓋の金色の布は、風によってはらはらと少しずつほどけていく。あとはグランドに茶色がかった敷物として広がっていくばかりだ。
 清掃の時間になると、敷き延べられた秋の贈り物を生徒たちが片付けていく。箒とちり取りと60リットル用の大きなゴミ袋を使って落ち葉を片付ける合間に、嘆声が上がる。「きれいだねー。」「すごいよねー。」と、大欅を見上げる、その生徒達の素直なまなざしが私は好きだ。落ち葉掃きを嬉々として楽しんでいる姿がいいなあと思う。
  生徒達の欅を、未来を見上げる顔を見たくて、今日も「落ち葉掃き部隊、出動!」と、声をかける。箒を握る手の上にも、またはらはらと金色の光が降りかかる。