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平成25年度から平成27年度 文部科学省委託研究事業研究指定校
はじめに
研究すべき「多様な学習評価」について、「社会人として専門性を発揮できる力」の育成に関する実践研究に取り組んでいる。なお、本研究は「工業高校生の専門的職業人としての必要な資質・能力を明らかにする」ことを目指し、キーワードを「社会・企業、実践的」に置き、評価手法と評価指標の作成を研究の最終成果に設定している。
本校の研究内容について
1.研究課題
高度な技術習得のための指導方法確立に向けた汎用性のある評価手法の研究
2.研究目的
高度な技術習得に必要な実践力、考え抜く力、コミュニケーション力、多様性を受け入れる能力、学習意欲の向上を図りたい。そのために、生徒自身が目指すべき到達度が把握でき、かつ、教員間でぶれのない指導を行うために汎用性のあるパフォーマンス評価手法の作成を進める。
3.研究仮説
汎用性ある評価手法を作成することは、本校が目指すスペシャリストとしてのスピリット・センス・マナーを身に付けさせることができる。
(1) 仮説の背景
地域には日本を代表する自動車、精密機器、電子制御関連企業が多く、本校生徒にも高い技術と意欲が求められている。本校では、ものづくりに関する基礎的な知識、技術の上に、高度な技術教育を通して、自信や意欲にあふれ、学び続ける技術者を育成してきた。さらに課題に対して生徒一人ひとりが主体的に解決しようとする実行力を育成する必要がある。
(2) 研究の手法
仮説を検証するために、技術項目のみに絞らず、実践力、コミュニケーション力、考え抜く力に相当する項目を加えたルーブリックを作成し、パフォーマンス評価を実施する。この評価ではスモールステップ方式の課題を達成できたか生徒が自己評価する。その都度、生徒に達成感を持たせることで必要な資質・能力を改善し高めることができる。
ア 資質・能力① 領域:課題対応能力(基礎的・汎用的能力)
主体性・実行力
イ 資質・能力② 領域:人間関係形成・社会形成能力、課題対応能力(基礎的・汎用的能力)
思考力・コミュニケーション力・発信力・課題発見力
4.電子機械科における研究例
(1) 対象教科 工業・電子機械、 科目 電子機械実習(2年)
(ア) 単元 PLC制御実習 (イ) 内容 配線及びプログラミング
(2) 対象生徒 電子機械科2年生 39名
(3) 研究手法
電子機械科の工業教育の柱であるシーケンス制御作業を通して実践的な技術・技能を習得するため、高度な技術レベルまで習得する内容になっている。生徒は課題解決を通して粘り強く考え抜く力、2人1組の共同作業によりコミュニケーション力や多様性を受け入れる資質、加えて主体性と実行力を高められるようにする。6週間の技術項目と作業内容に関するパフォーマンス評価を実施するためのルーブリックを作成し、6週間の評価については、生徒の技術成長の記録と位置づけポートフォリオ評価に組み込む。併せて、とちぎマイスター技能講習を実施する際に、講師の方に、本校電子機械科の生徒に必要な資質・能力をヒアリングして、本校で求める資質・能力を把握する。
(4) 研究経過
ア 4月15日~ 6月10日 第1班目実習
ルーブリック作成および活用
イ 6月17日~10月14日 第2班目実習
ルーブリックを検討し、修正後3班目に活用する。
ウ 10月21日~12月9日 第3班目実習
ルーブリック修正案を使い、生徒は自己評価する。評価項目を検討する。
パフォーマンス評価表と授業の様子を図1~3示す。
図2 とちぎマイスター技能セミナーの様子 図3 実習(6週目)の様子
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