アカデミアとちぎ

2016年11月の記事一覧

アカデミア「もう一度読む古典」第2・3回報告

 アカデミアとちぎ「もう一度読む古典」の第2・第3日が、10月22日と11月5日に若杉俊明校長を講師として開催されました。
 第2日は『竹取物語』の冒頭、帝の求婚、そして昇天の場面を読みました。かぐや姫の、月の世界の人としての(超人的な)能力と、人間世界が持つ価値へのリスペクトが感じられ、日本の物語がこんなに早い段階で、これほどの完成度を持つことに驚かされました。
 第3日は「古典の中の子どもたち」と題しての講義でした。古典の中に現れる子どもたちのあどけない姿、けなげな姿をとらえ、その描かれ方の特徴を考えました。特に『源氏物語』と『しのびね』の比較から、様々なことに気づくことができました。古典は読み比べると面白いのだなと思いました。

アカデミア「能楽堂に行こう4」第4・5回

観世流謡曲・仕舞入門ということで『羽衣』のキリを稽古するのも10/29(第4回)11/5(第5回)となりました。

「東遊びの数々に(あずまあそびのかずかずに)」ではじまる「キリ」という部分は、「天の羽衣」を漁師白龍から返された天人が、優雅な舞を見せながら天上世界に帰って行くという場面です。一曲のクライマックスとというべき美しいシーンです。



能の基本はどこまでいっても「謡」です。聞けば簡単そうですが、謡ってみると音がとれない、合っているのかどうかわからない、本当にこれでよいのだろうか?そうです、皆はじめは迷うのです。
仕舞も同じです。手の上げかた、扇の扱い、足のすり方、膝を曲げる角度・・・同じ動きを数え切れないくらい繰り返し繰り返しするなかで、「この動き以外にない」という形に自然と落ち着きます。