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SGH福島フィールドワーク(1日目)その3
午後の講義は、「福島大学うつくしまふくしま未来支援センター」の企画コーディネート部門長の塩谷弘康先生のご挨拶から始まりました。
塩谷先生からは、仲井先生と同じく、本センターが復興支援のために作られたものであるという話をいただきました。
また、本校SGHのテーマである田中正造型グローバルリーダー育成について触れていただき、田中正造が告発した足尾銅山鉱毒事件と福島の放射能被害についての“公害”という分野での共通性を取り上げ、今回のSGH活動で得たことを是非広く生徒の皆さんから発信していただきたいという話もいただきました。
その後、本校の紹介・調査結果の発表を研究班が行いました。
その後、農・環境復興支援部門特任准教授の小松知未先生より「営農再開に向けての取組み、風評被害 他」という題目の元、講義をいただきました。
まず、教員を含む全員から福島に関する質問を受け付け、その後放射能と放射線の基礎知識の勉強をしました。
続いて福島の農業についての話に入りました。
元々福島は、農業イレブンといい、11品目のPRがあるほど農業は活発でした。
しかし、事故を受けたことにより、①農業をやめる。②品目を変える。のどちらかを選択しなければならないという状況になりました。
結果的には、徹底した放射性物質検査を行うことにより、農業の継続をすることとしたということです。
そして現在は以下の3点の理由により、放射性物質の影響がほとんどないということになっているようです。
①時間の経過。(セシウム134の半減期は短く、かなり減っている。)
②土と結合すると農作物への吸収がほとんどない。
③カリ質肥料で吸収抑制。(植物はカリウムを優先的に吸収する。)
特に③の効果は絶大でした。
これにより、結果的にはこれまで作られてきた農作物の品目の変化はほとんどないものになったそうです。
これ以降は冒頭に出た質問についての回答を交えた講義となりました。
福島産の米については全量全袋検査を行い、基準に引っかかった米が出た一帯については徹底的に管理をしてカリ質肥料を与え続けて事故前の状態に戻しました。
その他にも様々な徹底検査、及び管理をして現在では農作物の放射線検出量はほとんどなくなっています。
事実福島県民は、農作物への不安が大幅に低下しているという調査結果が出ています。
風評被害はだいぶなくなっているとはいえ、まだまだ一部には不安が残っている状態です。
本日の研修を受け、福島県挙げての徹底した農作物の管理や検査の徹底を知ることができ、このような事実を広く発信していきたいと思います。
特にありません。