日誌

2014年8月の記事一覧

オトメツバキの思い出

 本校の自然保護活動が本格化して4年目の平成9年に、当時の小学部児童と中学部生徒が、環境省(当時は環境庁でした)「こどもエコクラブ」の活動に参加しました。翌10年には中学部3年生だったAくんの発案で「自然守り隊」の名で登録となりました。この頃は、まだ高等部はありませんでした。
 その活動の一環に「こどもエコクラブエコロジカルあくしょん県コンテスト」がありました。自分たちが取り組んでいる自然保護活動を壁新聞で表現し発表するという内容でした。平成9年度は、シジュウカラやヤマガラ(カラ類)の巣箱架設で得られた今までの観察記録や当時絶滅危惧植物だったミズアオイの栽培・観察などを記事にしました。
 結果は、めでたく優秀賞となり、栃木県代表として、名古屋で開催されたこどもエコクラブ全国フェスティバルに参加しました。2名の中学生が名古屋まで足を運びました。平成10年3月28日のことです。
 そのときいただいた参加記念樹が「オトメツバキ」です。当時は高さが30センチほどでしたが、現在は大人の背丈ほどに成長しています。掲載の写真はその見事な実です。
校庭南側の「野鳥の庭」に植樹されています。
    周囲の遊具では子どもたちが元気に遊んでいます。
    オトメツバキもそっと見守っているようです。
         

サンカクイが元気に生育しています。

 以前このコーナーでお伝えいたしました、かつては環境省の選定で絶滅危惧Ⅱ類(VU)、現在は準絶滅危惧となっている「ミズアオイ」の栽培について紹介しました。
 本校には、絶滅危惧や準絶滅危惧(都道府県によって異なる)植物となっている「サンカクイ」が元気に育っています。ちなみに本校のある栃木県では、どちらにも選定されていません。(栃木県では珍しくないのかも?)
 サンカクイは、名前のとおり、茎の断面が三角の形状をしています。湿地に育ちます。
 本校では、平成8年に、中庭のそれまで観察池だったところに裏山の土砂を入れ、ビオトープを造成しました。教師と児童ゎ生徒が力を合わせて行いました。
 当初は、環境省が絶滅危惧Ⅱ類(VU)に選定した「ヒメシロアサザ」や、準絶滅危惧の「ミクリ」も定植しましたが、残念ながら育ちませんでした。「サンカクイ」はこの環境が適したのか、19年たった今も元気に育をっています。
 現在のビオトープには、スイレンの花が咲き、ヒメガマが背を伸ばし、メダカやクチボソがのんびり泳いでいます。
 自然の安らぎに、心が安まる空間となっています。
         

コナギとミズアオイのこと

  本校のミズアオイを栽培しているプランタには、「コナギ」も共生しています。コナギはミズアオイと同じミズアオイ科の植物ですが、花が咲くまではミズアオイと区別することが困難です。発芽したときから開花するまでの葉の形の変化など、このふたつの植物はそっくりです。
 見分け方は、花の付き方です。ミズアオイは、花序を真上に伸ばします。葉より高い位置で開花することが多いです。コナギは花を葉腋に付けます。花の上に葉があります。
 今までミズアオイと思っていたものが、じつはコナギだったということがよくあるようです。
 ここに掲載したコナギの花の写真と、以前掲載したミズアオイの花の写真を見比べてみてください。なるほどと思いますよね。
 本校のプランタにこの2種がなぜ共生しているかと考えると、栽培を始めたとき、ミズアオイの種子と思っていたものに、コナギの種子が混じっていたということのようです。
         

今年もミズアオイの花が咲きました!

 以前、このコーナーで御紹介いたしましたように、今年の5月9日(金)のチャレンジタイム(総合的な学習の時間)で、小学部の児童たちが、ミズアオイの種を蒔きました。順調に生育が進み、今夏も開花を観察することができました。掲載の写真は、8月25日(月)に撮影したものです。
 ミズアオイは、かつて環境省のレッドリストで「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に選定されていましたが、現在は保護が進んだようで、「準絶滅危惧」に変更されています。
 本校では平成8年にミズアオイ栽培を始めました。渡瀬遊水池の植物に造詣の深い当時の理科の先生の御指導によるものでした。以後、毎年、播種と採種を繰り返し、今年で19年になりました。
 ささやかな活動ですが、このことが自然を愛でる心が育つ一助となることをこころから願ってやみません。