自 由 研 究 に つ い て学習部自由研究係
1.はじめに
本校独自の事業である自由研究は、貴重な高校生活3年間の中で、どのような意味を持つものであろうか。自由研究は、本校生が自らの知的好奇心や探究心を形に表現するものであり、将来の進路と関わるきっかけを得る絶好の機会であると考えられる。自由研究には、学習や部活動と関連するもの、あるいはそれとは別の、自分の世界を見つけ出していく面白さがあるだろう。
2.自由研究の歩み
本校では、昭和23年の新制高校発足当時から、生徒の自主的学習活動を奨励するために「一人一研究」を学校行事の一つとして取り上げてきた。これは、画一的な教師主導型の教育ではなく、生徒の主体性や個性を尊重する本校の伝統と校風の中で生まれ育ったものであった。
3.自由研究の単位化
本校の自由研究は、「自主性・創造性を育てる」という観点から、自ら考え主体的に判断行動できる資質・能力を育成することを重視し、生徒一人一人のよさを伸ばしていくための、自主的・主体的活動の活性化・定着化を達成するものとして位置づけられているが、平成14年度から、佳作以上の作品の提出者に対して、学校設定科目の単位として認定することとなった。
4.自由研究の流れ
自由研究の流れについて紹介したい。毎年、次のような日程で実施している。
4月中旬 自由研究についての説明
関係プリント・前年度の集録・応募カードの配付
(1年生=LHR時、2・3年生=SHR時)
4月下旬 前年度の入賞作品の展示
~5月上旬
5月中旬 応募締切り5月下旬 助言指導者(教員)を決定
6月~12月 合計3回の助言・指導日を設定、他に随時助言・指導を行う
1月上旬 作品提出
1月中旬 作品審査(各教科)
1月下旬 自由研究審査会(最優秀賞・特別賞の決定)
1月下旬 審査結果発表
2月上旬 入賞作品の展示
2月下旬 表彰式・講評
応募は年間を通して(作品提出日まで)随時できるが、一応最初の応募締切りを5月に設定し、第1回の助言指導を6月中旬に設定している。また、長期休業(夏休みや冬休み)を有効に使って研究に取り組むことができるように、長期休業前の助言指導を重視している。助言指導は、生徒の研究をより充実したものになるよう教員が側面から援助するものである。 作品の提出は、冬休み明けの第1日目で、提出作品に対しては、最優秀賞、特別賞、優秀賞、優良賞、佳作(以上が入賞)、努力賞の各賞が与えられる。助言者は作品の評価を行い、教科内での審査をへて各賞を決定する。作品のうち、最優秀賞や特別賞に相当すると考えられるものは、学習部長、学習部自由研究係、各教科代表からなる自由研究審査会の審査をへて決定する。両賞とも、大学の卒業論文相当と判断されたものに与えられる。また、年度ごとに自由研究集録を作成し、全ての作品の審査結果の一覧表、全体の講評、そして入賞作品のいくつかの内容紹介を掲載している。集録の作品内容紹介は、生徒に作品の要点をまとめてもらう形をとっている。

<これまでの自由研究集録>
5.応募・作品提出・表彰の概要

6.まとめにかえて
生徒・教職員を含めた学校全体の教育活動として多くの生徒が取り組む雰囲気づくりをしていくことが大切で、自然に取り組んでいける形が最も望ましいだろう。受験のための学習に直接は結びつかないかもしれないが、自ら学ぶ喜びを体験するために、ぜひ自由研究に取り組み、そして自由研究で、自分の世界を拡げていくことを期待したい。それが、自分自身の「生きる力」となって将来を決定し、未来を切り拓く原動力となる可能性が大きいと考えられるからである。
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