SGH活動報告

SGH福島フィールドワーク(2日目)その4

 昼食後、本校と同じくSGH校の福島県立ふたば未来学園高校を訪問しました。

 社会企業部の生徒さんと、顧問の佐藤先生に対応していただきました。
 歓迎ムードで迎えていただき、まずはふたば未来学園高校の紹介から始まりました。
 原子力災害からの復興を目指すグローバルリーダーの育成をコンセプトに活動の幅を広げているということです。
 

 
 
 その後、部員による福島クイズをしていただきました。意外な答えも多く、佐野高生が驚く場面もありました。以下、その問いと答えになります。是非考えてみてください。研修に行った研究班は、復習してください。
 問1.震災前に福島県で暮らしていた人のうち、現在県外に避難して暮らしている人の割合(%)はどのくらい?
 問2.福島県では、年間1000万袋ほど作られる県内産の放射線について全量全袋検査を行っている。そのうち、放射線量の法定基準量を超えるのは何袋か?
 問3.福島県の漁業の水揚量は、2010年度に比べて、2015年度は何%回復した?
 問4.福島県の観光客は、2010年度に比べて2014年度は何%回復した?
 問5.福島県の平均初婚年齢は、2013年では、47都道府県中、何位?
 問6.今、立ち入りができないエリア(帰還困難区域)は、福島県全体の面積の何%?
 問7.原発から20km地点にある広野町(震災前の人口約5500人)には現在、何人ぐらいの方が住んでいるか?
 問8.全村避難した川内村(震災前の人口約3000人)は、2012年4月1日に帰村したが、現在、何人ぐらいの方が住んでいるか?
 問9.大熊町・双葉町にできる中間貯蔵施設は、東京ドーム何杯分の容積?
 問10.福島県の震災関連死の数(2016年3月31日)は何人?
《解答》
1.約2.2%
2.0袋
3.15%
4.82%
5.1位
6.2.4%
7.約5000人
8.2749人
9.13~18杯
10.2038人
 クイズの後は、佐野高生による高校紹介と福島県に関するアンケート調査結果です。こちらは昨日行った内容と同じものです。非常に高い関心を持って見ていただいた印象を受けました。
 
 
 その後は班に分かれてこれからの福島を盛り上げるためのディスカッションを行いました。非常に短い時間でしたが、生徒は皆一生懸命アイデアを出していました。そのアイデアを班の代表者が最後に発表しました。どの発表も大変建設的なものとなっていました。
 
 
 最後に佐藤先生から、震災から時間が経っているにも関わらず、県外の皆さんがここまで福島のことを考えて調べてくれるのは大変嬉しいというお言葉をいただきました。生徒にとっても教員にとっても大変有意義な時間になりました。以下、ふたば未来学園高校の生徒さんと交流をもった本校生の感想です。(※一部抜粋、イニシャルは仮)
・事故からの復興とその先のことを考えている姿を見て、佐野からも支援をしていきたいと改めて思いました。(Tさん)
・震災後に商店がどんどんつぶれてしまっているということだが、学校が参加する祭りにはたくさん人が来ているらしいので、そのときにもっと福島をアピールするべきだと思った。
T君)
・佐野でとったアンケートに高い興味を持ってくれたように感じた。(A君)
・福島に対するお互いの気持ちを言い合えてとても良かった。意識に違いがあり、ちょっと誤解していたのかなという部分もあったので、今後もっと交流を持ち、そういう誤解をなくしたい。(Kさん)
・改めて知識や意識のズレを感じた。報道されていないことも知ることができ、特に差については衝撃を受けたと共に、他県民として深く考えさせられた。
N君)
・福島県民の思いと私たちの思いとはかなりズレがあることが分かった。(Mさん)
・福島への悪いイメージを持っている人が目立ってしまい、良いイメージを持っている人の存在があまり目立たないのではないかと思った。(Mさん)
・実際に風評被害を受けないと感じないような怒りや恨みに近いような意見を聞くことができ、改めて自分達も放射能の知識について認識しなおさなければならないと感じた。(Yさん)
・復興が遅いという意見があったが、復興の中にいる福島の人には、生活の中に復興があるので気付いていないだけで少しずつ進んでいるのではないのかと思う。比べるものが何もないので復興の実感が福島県民も福島県外の人も分からないからではないか。(Sさん)
・福島県の生徒と私たちでは考え方に違いがあることが分かった。見学して復旧はしているが復興はしていないことが分かった。復旧と復興のギャップに気付かされた。(Aさん)
・福島では復興を5年間行ってきたため、取り組むべき問題が分からなくなっていると思う。それゆえ県外から取り組むべき問題のことを伝えていきたいと思った。(Iさん)