日誌

校長室から

ごあいさつ

校長近影
栃木県立宇都宮高等学校長 菅谷 毅

  栃木県立宇都宮高等学校通信制のHPを御覧いただきありがとうございます。

☆ 宇高通信制はこんな学校です~歴史や施設など~
 
本校は、明治12(1879)年創立で、今年創立143周年を迎えた県内屈指の進学校である全日制男子校に、昭和23年、通信教育部として併設されました。学校教育法の改正とともに歩み出し、通信制教育の変遷とともに開設73年目の歴史を積み重ねてきた学校で、6,000名を超える卒業生を送り出しています。全日制とともに人としての生き方在り方を重視した「全人教育」と、戦後まもなく当時の校長が生徒・教職員とともに定められた「和敬信愛、質実剛健、自律自治、進取究明、勤労愛好」の5つの生徒指標は、宇高通信制に学ぶ本校生の心の拠り所となっています。

 本校は、11万㎡を超える広大な敷地を持ち、ユリノキの巨木、欅や杉、楓、ポプラなど約2000本、140品種にも及ぶ緑に囲まれています。この「宇高の杜」と呼ばれる多くの木々に囲まれた敷地内にある独立した校舎には、5つの普通教室、他に図書室を兼ねた自習室、理科教室、全通共用の被服室・調理室を備えています。保健室・PC室・芸術科の教室は全日制棟のものを共用し、日曜スクーリングでは1年棟普通教室も使用しています。昭和17年に建てられた木造の「講堂」で式典等を開催するなど、歴史と伝統にも触れながら、生徒は学校生活を満喫しています。

☆ 宇高通信制での「学び」について

 
本校を一言で言えば、従来の通信制高校のスタイルを、しっかり守っている学校です。全国的には通信制を指向する生徒が増え、通学コースやWebコースを持つ私立や株式立の広域通信制高校など、新たな魅力を全面に押し出しています。しかし、そんな中、本校通信制に学校見学に来られた方々は、施設設備、登校や報告課題の数、自己管理や自己責任等について説明させていただくと、きまって「ふつうの学校なんですね」とおっしゃいます。つまり、多くの方が抱いている「高校という学びの場の概念を守っている」のが、本校通信制なのです。

 通信制教育とは「自由」な学びであり、その一方で同時に「厳しい」ものです。スクーリングで学校に来るのは週一日で、他の日は束縛されません。また、面接指導(授業)も特別活動への出席も基本的には本人の自由であり、強制はされません。授業は、週一回なため、授業で学べることは限られます。試験に合格するためには相当な自学自習の時間が必要で、その人の人間性の確かさが求められます。しかし、その困難を乗り越え、多くの生徒が人間的にも成長しながら、本校通信制を巣立って行ってくれています。

☆ 宇高通信制での「ふれあい」について

 人間が成長するためには孤独に耐える力が必要です。しかし、人間は社会的な存在なので、孤立したままでは成長できません。本校通信制では、スクーリングの合間の交流はもとより、学校生活に潤いをもたせる学校行事が充実し、それを企画運営する生徒会活動も活発です。活動を通して通信制の中に確かな居場所を担保しながら、自己の特性に応じて人と触れ合うことにより、成長することができます。

 本校では、新入生といっても、中学校卒業からすぐに入学する人もいますし、様々な経緯を経て、二年次、三年次に入学する人もいます。年齢や職業も様々です。家庭を持っている方も、お仕事を退職なさった方もいます。それぞれの事情により、高校卒業の資格を取ってキャリアアップを目標とする人、一念発起して学び直しを目指す人、新たな環境で進学を志す人など、今日の日を迎えるまでは一人ひとり様々な経緯があります。しかし、通信制の自由な学びで、自分の居場所を確認し、自分の夢や新たな自己の可能性に気付き、卒業していきます。


 以上、本校の沿革や特色などを紹介いたしました。今後とも本校の教育活動に御理解と御支援を賜りますようお願いいたしまして、御挨拶といたします。

0