日誌

校長室より「夢枕獏『陰陽師』」

 前回、「読書については、今後、できるだけ紹介していこうと思います。」と記しましたが、何を紹介しようかと思い悩み、皆さんが取りかかりやすいように映像化された本の紹介をすることにしました。
 私の好みだけで選んでいくと偏りが出てしまうので、映画監督をしている友人、大学の剣道部(体育会ではありません)の同期、篠原哲雄君が監督したものから紹介したいと思います。彼はオリジナル作品も多くありますが、文学作品の映画化を頼まれることが多く多岐にわたるので、偏りなく紹介できるかと思います。
 第1回は、3月29日(日)午後9時からテレビ朝日で放送された『陰陽師』。
 夢枕獏さんの代表作『陰陽師』は、野村萬斎主演の映画もありますが、テレビ版は佐々木蔵之介主演でした。余談ですが、篠原君が監督した映画『花戦さ』は野村萬斎主演でした。こちらは後ほど紹介します。
 さて、『陰陽師』は、平安時代に実在した安倍晴明(あべのせいめい)を主役とした作品。シリーズ化されていて、はまるとたいへん。
 陰陽師について気になったら、皆さんの持っている国語便覧を開いてください。
 12ページか44ページ(平安京のページ)に安倍晴明の屋敷が都のどこにあったかが載っています。
  35ページか56ページ(信仰のページ)には、陰陽道の解説(物忌や方違など)があります。
 134ページか144ページ(『大鏡』の描く人物像のページ)には、平安時代の歴史物語『大鏡』の中の「花山天皇の出家」に安倍晴明が出てくるシーンが記されています。因みに、『大鏡』は私の大学の卒業論文のテーマ(「大鏡研究-主として東松本と流布本の相違について-」)です。
 次回は、恩田陸さんの『木曜組曲』を紹介します。