機械科について
1 機械科の目指す人材像
 自動車、テレビ、携帯電話などの様々な工業製品は、私たちの生活に必要なもので、現代社会を支える基盤になっています。機械工業は、工業製品を製造するための基礎となる産業であり、そこで従事する業務は多岐にわたっています。
   機械科では、ものづくりに必要な材料の知識、旋盤・溶接などによる工作法、コンピュータによる制御などの基礎的な知識や技術を学び、主に製造業で活躍できる人材の育成を目指しています。

2 学習内容
 機械の基礎的な知識と技術、機械要素の設計、工作機械による加工方法、溶接、コンピュータを利用した制御技術、CADによる製図などについて、次のような科目を通して学習します。

(1)専門科目
 工業技術基礎  工業に関する基礎的技術を実験・実習によって体験し、工業の意義や役割について学習します。 
 機械実習  実習を通して、旋盤・フライス盤等の加工技術、溶接、材料、鋳造、ガソリンエンジン、
ロボット制御、計測などについて学習します。
 課題研究  各自が設定したテーマについて、3年次の1年間を通して研究します。
 機械製図  機械製図の基礎や機械要素の製図、機械の設計製図について学習します。
 工業数理基礎  工業の各分野における数理処理に関する知識と技術について学習します。
 情報技術基礎  コンピュータの仕組みや回路、プログラムに関する知識と技術について学習します。
 機械工作  機械材料の性質及び加工性、各種の工作機械や工作法について学習します。
 機械設計  工業力学・材料力学を基本として、設計の基礎的知識と機械要素の設計について学習します。

(2)主な選択科目
 原動機  水力学・熱力学の基礎及び原動機の構造・機能について学習します。
 生産システム技術  電気・電子技術の基礎および計測・制御技術について学習します。
 工業管理技術  職業や産業、企業のしくみや各種の管理技術(主に品質管理)について学習します。


(3)主な実習内容
  ①機械加工
       旋盤をはじめとして、フライス盤・ボール盤・マシニングセンタ等の工作機械を使用して、ものづくりの基本的な加工技術を身に付けていきます。また、希望者は更に技術を磨いて、機械加工技能士資格の取得にも取組んでいます。
  旋盤加工  フライス盤加工
         (旋盤加工)               (フライス盤加工)

  ②溶接
        ガス溶接,被覆アーク溶接,炭酸ガスアーク溶接について、各装置の取扱いや各種の溶接方法を習得していきます。
  3年次の課題研究では、土台や枠・シャーシなど自分達で考案したものを形にして、作品を製作しています。
  ガス溶接  炭酸ガスアーク溶接
         (ガス溶接)               (炭酸ガスアーク溶接)                       
  ※1年次には、手仕上げ実習で棒材を切断・曲げ加工等により各部品を作成し、溶接実習においてガス溶接で組立を行い、フラワースタンドを製作しています。
  フラワースタンド部品  フラワースタンド
      (フラワースタンド部品)           (フラワースタンド)

  ③原動機
        エンジンの分解・組立や性能試験によって、エンジンの機構や出力・効率などを実作業を通じて習得します。また、流体実験装置を用いてデータ取り及び結果を集計し、学習した定理を検証します。
  
  分解・組立用エンジン  エンジン性能試験  流体実習装置
  (分解・組立用エンジン)    (エンジン性能試験)     (流体実験装置)

  ④鋳造
    鋳造は鋳物砂で型を作り、溶けた金属を流して多様な形の製品を作ります。実習として鋳造を行っている学校は、現在では県内では本校を含めて2校のみです。
  溶融金属の取出し  鋳込み作業  取出した鋳物
   (溶融金属の取り出し)    (鋳込み作業)       (取出した鋳物)

  ⑤材料・計測
        授業で学習する機械材料の強さ・硬さなどの性質について、実験を通して更に理解を深めます。また、寸法精度や品質の良いものを作るためには、計測技術を習得することが重要です。実習の他に講師を招いて実技指導も行っています。更に、計測技術に関する技能士資格である機械検査を取得することもできます。
  引張試験  計測実習  実技指導
     (引張試験)        (計測実習)         (実技指導)

3 取得できる主な資格
  ・2・3級技能士(旋盤,フライス盤,マシニングセンタ,機械検査) ・危険物取扱者乙種1~6類
  ・2級ボイラー技士       ・ガス溶接技能講習       ・機械製図検定
  ・品質管理検定         ・情報技術検定 

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