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校長室から

創立20周年記念式典式辞

山並みが色づき、菊花の香り漂う今日のよき日に、栃木県教育委員会委員 尾崎宗範 様、さくら市長 中村卓資 様をはじめ、御来賓の皆様の御臨席を賜り、栃木県立さくら清修高等学校創立20周年記念式典が挙行できますことは、大きな喜びであり、学校を代表して心から御礼申し上げます。これもひとえに、本校の歴史と伝統を築いてこられた歴代の校長先生をはじめ、教職員の皆様、そして、保護者、同窓会、地域の皆様の温かい御支援と御尽力の賜であり、関係の皆様に深く感謝の意を表したいと思います。

本校は、平成18年、氏家高等学校と喜連川高等学校の長い歴史と伝統を受け継ぎ、総合学科の高校として開校しました。創立以来、「自主自立 進取創造 敬愛協働」を校訓に掲げ、生徒一人ひとりの興味・関心や進路希望に応じて、幅広い分野から科目を選択できる総合学科の特色を生かし、主体的な学習と進路の探究を重視した教育活動を展開して参りました。

生徒は希望の進路実現に向けて、学習活動や探究活動をはじめ、学校行事や部活動、生徒会活動、ボランティア活動などに積極的に取り組んでいます。

さて、この10年を振り返ってみますと、部活動においては、平成29年のサッカー部関東大会ベスト4、令和元年の陸上競技部110mハードル全国大会3位をはじめとし、多くの輝かしい成績を収めてきました。今年度も陸上競技部が関東・全国大会に、弓道部が関東大会に出場するなど、活発に部活動が行われております。また、文化部では、美術部がこの4年間で3回のマンガ甲子園に出場を果たし、併せて今年度は全国高等学校総合文化祭に作品を出品するなど、着実に実績を重ねております。

ボランティア活動については、平成28年に、本校生の永年にわたる多様なボランティア活動が、さくら市の街づくりに貢献し、その活動する姿が市民に元気と感銘を与えたとして、さくら市から感謝状をいただきました。その後も伝統は受け継がれており、現在も、さくら市内の様々な行事に多くの生徒がボランティアとして参加し、人間的な成長の糧となっています。

地域や大学との連携においては、平成29年に国際医療福祉大学と高大連携協力の覚書を締結し、翌30年にはさくら市と包括連携協定を結ぶなど、相互の連携を強化し、特色ある活動を展開してきました。今年度は新たに学校運営協議会を設置し、小中学校や大学、保護者、地域の方から幅広く意見をいただく機会を設け、本校のさらなる魅力化・特色化に向けて取り組んでいるところです。

これらの成果は、生徒・教職員のたゆまぬ努力、関係各位の御支援の賜でありますが、開校以来の安定した歩みは、氏家高等学校と喜連川高等学校の歴史と伝統の上に成り立っていることを忘れてはなりません。ここに、両校の沿革を紹介したいと思います。

氏家高等学校は、今から101年前の1924年、大正13年に栃木県立氏家高等女学校として開校しました。その後、男女共学化を経て、昭和26年には栃木県立氏家高等学校となり、平成6年には全国初の総合学科を設置し、平成20年3月に閉校となりました。卒業生は22,283名を数えています。

喜連川高等学校は、今から79年前、戦後間もない1946年、昭和21年に栃木県立喜連川農学校として開校しました。昭和26年には栃木県立喜連川高等学校と改称され、その後、時代の要請に応えながら歩みを進めてきましたが、平成20年3月に閉校となりました。卒業生は9,784名を数えています。

このような歴史と伝統を持つ二校が統合され、新しくさくら清修高等学校が誕生して20年目を迎えました。平成21年3月に1期生を送り出して以降、卒業生は3,955名となり、氏家高等学校、喜連川高等学校の卒業生を合わせると卒業生総数は36,022名に達し、同窓生は、県内外の各分野において活躍しています。

在校生の皆さん。皆さんは、さくら清修高等学校の新たな歴史を築く担い手です。これまでの先輩方が築いてきた歴史と伝統を胸に刻み、挑戦する気持ちを忘れず、高い目標をもって頑張ってください。大切なのは、今目の前にあることに真摯に向き合い、集中し、精一杯努力することです。小さなことの積み重ねが大きな結果を生み出します。校歌の歌詞にある「友よ たくましく歩み出そう」、「友よ 未来への道を拓こう」の言葉のとおり、仲間とともに切磋琢磨し、将来、社会で活躍できる有為な人材となることを期待しています。

私たち教職員も、次の10年に向けて、これからも家庭や地域とのつながりを大切にし、生徒一人ひとりが未来を切り拓く力を育む場として、さらなる発展を目指してまいります。

結びに、本日ご臨席賜りました皆様に改めて感謝申し上げますとともに、今後とも本校の教育活動に対し、変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。

令和7年11月13日

栃木県立さくら清修高等学校長 

   小 林 克 明