同窓会の方へ

母校の更なる伝統の構築と発展を願って

同窓会長  中 山 緑 朗

1)創立50周年式典を挙行できたことに感謝します
 昨年10月23日、宇都宮市文化会館において創立50周年の式典を挙行しました。同窓会の会員の皆様には募金活動にご協力いただいたことに、衷心より感謝申し上げます。ご協力いただいた皆様のお名前を、本会報に記させていただき、領収書に代えさせていただきました。
 昨年度は宇東高が中高一貫教育に方向転換した完成年度でもありました。50周年の式典は一貫教育一期生の皆さんを中心に整然と進行し、その厳粛さを各方面の皆様から賞讃されたことは記憶に新しく、同窓会長としてはまことに誇らしい一日でありました。
2)更なる伝統の構築を願って
 女子生徒が半数近くを占めるようになった現在では、学校の雰囲気が男子校の時代と大きく様変わりしたことは当然と言えば当然のことでしょう。しかしながら男子校として50年をかけて培ってきた母校の伝統を、男女共学の形の中でも受け継ぎ、発展していってほしいと願っています。伝統といっても、進学の実績や部活動の実績のように有形の形で残る場合は明確ですが、卒業生の方々の雰囲気とか、日常的な校舎内の様子などは無形の部分の要素が多くあり、言葉で言い表わすことが難しいところがあります。とはいえ、性格の穏やかさや比較的のんびりした態度は宇東高OBの無形の伝統と言えるかもしれません。
 進学校としての実績を積み重ねることは母校の宿命でもあり、この点でも更なる発展を願うものであります。同時に、この50年かけて培ってきた宇東高の無形の伝統についても、60年、70年、100年と中高一貫、男女共学というように形を変えていく部分があるにせよ、確実に継承し、更に新しい伝統の構築を目指して在学生諸君に期待したいと思います。
3)伝統とは創造でもある
 歌舞伎は古典芸能として、よく型の継承が言われます。もちろん型の継承が重視されていることを否定するものではありませんが、同じ役柄を演じても、その役者なりの個性、新鮮さがなければ評価されないという逆説的な部分もあります。
 「温故知新」(論語)という句は、過去に学ぶことで新しい世界を開くということであり、単に過去のことを学ぶということではありません。後輩の皆さんが、50年の伝統から何を学び、今後どのような新しい伝統を構築してくれるのか、大いに楽しみにしているところです。