日誌

自然いっぱいコーナー

シジュウカラが巣立つ!

 このコーナーでご紹介してきたシジュウカラが無事に巣立ちました。「おめでとう!」この巣箱を利用してくれた親鳥は、学校周辺に架けられた巣箱で育ったのかも知れません。巣だった子供たちもぜひ利用してほしいものですね。
 
 ところで、ひなたちが巣だった後の巣箱の中は、いったいどうなっているのでしょうか?
 下の写真が巣立った後の巣箱の中の様子です。
 
 どうでしょう、ずいぶんきれいになっていることにお気づきでしょうか? シジュウカラなどの小鳥たちは、巣をたいへんきれいに保ちます。その第一の理由は、外敵から巣を守ること。ひなたちの糞は、巣箱の中はもちろん、その周囲には落とさず、遠くにくわえて運びます。巣を発見されないための工夫ですね。
 それと驚いたことに、このシジュウカラが繁殖した巣箱の4m四方内にある巣箱で、なんと2箇所でスズメが巣をかけて子育てをしていました。下の写真は、スズメならではの巣作りの特徴を見ることができます。それは、巣箱の丸窓から巣材がはみ出るほどに、ワラやビニールテープなどがぎっしり詰まっています。
 
  思いも寄らぬほど、なわばりが狭い小鳥たちの紹介をしました。これからも、一緒に観察をしていきましょう。

ミカンの花が咲きました。

 校庭の「野鳥の庭」にある温州ミカンの花が咲きました。白くて卵のようなつぼみがだんだん大きくなって、星の形の花を咲かせました。周囲には、甘い香りを漂わせ、ミツバチたちを誘っています。
 このミカンの木は、平成11年の県立学校個性化アクションプランによって植樹されました。今では約3mにまで育っています。本校には、この温州ミカン(2本)の他に、平成23年ふるさと“とちぎ”みどりづくり事業によって、プール西側に6本植えられています。
 ところで、先日ご紹介したサクランボの木に架けた巣箱のシジュウカラのヒナたちですが、今日も元気に鳴いていました。
 (お詫びと訂正:4月28日付けの本ホームページ「ナガサキアゲハを飛んで来い!」の記事の中で、アオスジアゲハと記載しましたがジャコウアゲハの誤りでした。お詫びいたします) 

「野鳥の庭」の巣箱に・・・!

 本校の「野鳥の庭」に架設した巣箱に、なんとシジュウカラが営巣していました。「チィー、チィー」というひな鳥の声を近くで聞いた先生は、きっとスズメだろうと思っていたようです。それもそのはず、あまりにも身近すぎる場所だったからです。そして、校庭の南側にある「野鳥の庭」の木々に架けられたすべての巣箱は、校舎の軒下に架けられた巣箱を移動したものでした。
 以前にご紹介しましたが、軒下や人工物の周辺に巣箱を架けると、ほとんどスズメが巣を作ります。まして、この巣箱は北向きに架けられているばかりか、風が吹くとゆらゆら揺れてしまうほど不安定でした。さらに、2,5mという低いところに架けられており、人通りもあるところでした。
 とにかく、思いも寄らない身近なところで、野鳥のひなが観察できたなんて幸運でした。写真からもわかるように、巣立つまで、それほど日数はかからないでしょう。元気に飛び立ってくれることを祈るばかりです、
 
 
 

ビオトープはおもしろいよ!?

 本校の中庭にあるビオトープは、平成10年に絶滅危惧植物「ミズアオイ」のプランター栽培と共に、3m(縦)×5m(横)×30cm(深さ)の観察池に土を入れて改良したものです。
 このビオトープには、準絶滅危惧植物である「ミクリ」をはじめ、「サンカクイ」、「ガマ」、「スイレン」などが植えられています。そして、「メダカ」、「クチボソ」などの魚類や、「ヤマトヌマエビ」、「ヤゴ」などの水生生物もたくさん同居しています。さあ、片手に網を持って、小さな仲間たちをすくって観察してみよう。(スイレンの花が咲きました:5月15日)
 

たくましい自然の営みにエール!

 このコーナーで、シジュウカラの産卵から抱卵の様子をご紹介いたしました。残念ながら観察の途中で、なんらかの小動物によって巣が壊されてしまいました。
 しかし、5月12日(月)に行った巣箱の全体調査(裏山に架設したすべての巣箱:18個)によると、3箇所で新しい巣が確認され、その内の一つに(写真)3つの卵がありました。
 自然のたくましさに感動しつつ、今回はヒナが誕生するまで観察を控えることにます。孵化予定日は、5月30日(金)(6個卵を産んだ場合)です。
 (注:本校の環境教育推進委員会は、こうした自然観察をする上で、細心の注意と配慮を心がけていますが、観察を行うこと自体が自然環境に何らかの影響を与えてしまうことになります。しかし、そのリスクを念頭に置きながら、児童生徒たちがこうした自然の営みに触れ、命の尊さを感じ、生きる力を培うことを目標としています。ひいては、自然を大切にしようとする心を育てていってほしいと願っています)
 

絶滅危惧植物「ミズアオイ」の栽培開始! 

 絶滅が心配されている「ミズアオイ」の栽培が始まりました。5月9日(金)小学部の児童たちが中庭のビオトープの周辺に用意されたプランターに種をまきました。
 この活動は、総合的な学習の時間に実施され、身近にある自然に触れ、命の尊さについて身体全身で感じることを目標としています。
 きれいに咲いた「ミズアオイ」が紹介できるように、大切に栽培していきましょう。
 
 
 

自然の厳しさに目を背けずに!

 シジュウカラの孵化が予定されていた巣箱の近くまで行くと、写真のような状態に・・・。心配して中を見ると、巣だけ残されていて何も居ませんでした。巣箱の下に2本のビスでとめられていた標識も見あたりません。きっと、木登りの上手な動物が、鋭い爪でひっかいたのかも知れません。近くの木で、シジュウカラの親たちが鳴いているのを見て、少しほっとしました。
 可愛いヒナたちを紹介できなかったことは、とても残念です。しかし、このようなことは決して珍しいことではないのです。改めて、命の尊さを考える機会とします。
 これからも、こんなことに耐えてがんばっている親鳥たちを、みんなで応援していきましょう。
 

卵はお父さん鳥も・・・!?

 シジュウカラが卵をあたため始めてから、約9日が過ぎました。シジュウカラの場合、抱卵から2週間で孵化し、あっという間に巣立ってしまいます。この点、猛禽類のように強い鳥は、卵の数も少なく、ゆっくり巣立ちます。シジュウカラのような小鳥たちは、多くの卵を産んで、できるだけ速く巣立つことが生き延びるために必要なことのようです。それから、猛禽類は、第1卵を産んですぐに抱卵しますが、小鳥たちは最後の卵を産んでから抱卵します。なぜかというと、小鳥は産む卵の数が多いため、孵化する日を同じにする必要があるからです。ひな鳥の成長を均一化するためなんですね。
 ところで、写真の親鳥はお父さん鳥でした。お母さん鳥と協力して卵をあたためているんですね。そして、車椅子の生徒の観察のために、木から巣箱を外しても、抱卵をやめない親鳥に感激しました。(撮影はすべて生徒による)次回は、可愛いヒナたちをご紹介します。お楽しみに・・・。
 

 

軒下の巣箱で、山の鳥は繁殖するか?

 ある年の生徒の質問に「自分の家の軒下に巣箱をつけたら、シジュウカラは繁殖するか?」というものがありました。この疑問に対して、自作した巣箱を家に持ち帰って軒下につけて観察した生徒、校舎の軒下につけて観察した生徒など様々でした。
 それぞれの観察結果はこうでした。家々が立ち並ぶところや、校舎の軒下ではスズメが利用すること、家の周辺に森林があれば、その庭の木々に巣箱をつければシジュウカラなどが利用することもあるということです。
 それでは、現在の学校裏山の様子はどうでしょうか。今までの観察では、スズメが山に巣をかけた記録はありませんでしたが、今年は2箇所で営巣と産卵が確認されています。
 どうでしょう、写真でも明らかなように、スズメの巣箱から見ると、木々が伐採されて道がきれいに整備されているところだということがよくわかりますね。
 このような事例からも、人間と自然の関係を考えるよい機会としたいですね。 

ナガサキアゲハよ、飛んで来い!

 栃木県内でナガサキアゲハが初めて確認され、撮影に成功したのは平成19年5月12日のことです。撮影された場所は、本校裏山のあしかがの森 足利病院「ほたる沢公園」です。撮影者は、本校元校長田村澄子先生のご主人、画家の田村直樹さんです。
 これに先駆けて、本校の校庭には、平成11年に実施された県立学校個性化アクションプランによって、「ちょうの里」として、シロダモ、ダイダイ、夏みかんなど、蝶が好む柑橘系を中心とした10数種類の木々が植えられました。
 当時のこと、田村先生の御指導によって、アオスジアゲハの越冬サナギ、通称オキクムシを採種したり、食草であるウマノスズクサを「ちょうの里」に植えたりしました。
 ナガサキアゲハはクロアゲハに似ていることから、なにげなく校庭を飛来しているのかも知れませんね。今度、よく観察してみましょうね。