結城紬
着物の知識~「紬(つむぎ)」ってなあに?~

みなさんが知っている着物にはどんなものがありますか?
このように質問されると、成人式に着る振袖や、夏祭りに着る浴衣などが思い浮かぶかもしれませんね。

着物にはたくさんの分類があります。「紬」も織り方による分類の1つです。着物と紬について紹介します。

「染め」と「織り」

着物は大きく二つに分類されます。

●染め
織りあがっている生地に絵を染めた着物のことをいいます。
美しい色柄や装飾のものが一般的です。
「染め」の着物の方が「織り」より格式が高いとされ、結婚式やお茶会、パーティーなどで着られます。

●織り
糸を染めてから織った着物のことをいいます。
普段着や仕事着に使われます。
結城紬は「織り」に分類されます。

真綿と生糸

着物に使われる絹糸は、蚕(かいこ)のマユから作られます。
マユから直接引き出した糸を「生糸(きいと)」、マユを真綿にしてから糸を引き出したものを真綿がけと区別しています。

結城紬は真綿がけの糸から作られます。

【マユの写真】

紬について

■紬は全国にある
紬というのは、もともとは、農家の人々などが商品にならない玉マユ(二つがくっついてしまったマユ)や屑マユ、汚れマユを使って、自分達用の着物を作っていたのが始まりです。
ですから、紬の産地は日本各地(にほんかくち)にあります。
ただ、その製法は各地で異なり、糸によりをかけたもの、生糸を使っているものなど様々です。
現在では機械を使っているところもあります。

■結城紬
昔は日常のための着物でしたが、だんだん名声が高くなり、ついには昭和(しょうわ)31年に「重要無形文化財」、昭和52年には「伝統的工芸品」へ指定されたことにより、現在では大変に高価な着物となりました。

結城紬の工程の中で

・手による糸つむぎ
・絣(かすり)くくり
・地機(じばた)での機織

が「重要無形文化財」に指定されています。